カルシア改質土の強度発現における浚渫土砂と転炉系製鋼スラグの相互影響の評価
港湾工事で発生する浚渫土砂の有効利用技術であるカルシア改質土について,固化成分である浚渫土砂から溶出するシリカ成分とカルシア改質材から溶出するカルシウム成分が強度発現に与える相互影響を考察した。 溶出するシリカ成分が大きい浚渫土砂の方が強度発現は大きく,供給するカルシア改質材からのカルシウム溶出量が大きい方が強度発現は大きいことを示した。
また,その相互影響には,固化反応に必要な溶出量のバランスが存在し,目標強度に応じた必要溶出量の過不足を評価する方法として,シリカ溶出量とカルシウム溶出量を軸とした4領域の整理で実施できることを提案した。
この整理の結果,現場強度100kN/m2を確保するためには,カルシウム溶出量×(改質材量/含水量)=5.0mg/g,シリカ溶出量×(土分乾燥重量/含水量)=60mg/gが必要であることを示した。