方法論や理論そのものではなく、出来上がった過程が最も教訓的
241222
『量子力学と私』
p39
この点で、量子力学の出来上がる経過は最も教訓的である。なぜなら、ここではいろいろな方の学者が、いろいろな思考方法を用いて、自然から提出された謎を解いていく道が最も豊富に示されているからである。
やっぱりここ。方法論そのものではなく、ここで言えばどのように出来上がったかということが最も教訓的。
その当時の研究者がどんなことを考えて、どんなふうに取り組み、そして今の量子力学ができたか、が詰まっているから。
このそれぞれの研究者が工夫してある1つの理論が出来上がっていく。問題が解決されていく。
その過程に価値とか面白さというものがあって、その一連の営みが工夫と言うことになる。
自分たちに置き換えて考えてみれば、今に至るまで、今の環境を作って整えて、今の自分の考え方、今の自分の状況、今の自分の立場を作り上げていく、その過程が最も教訓的なものであるということ。
自分そのもの、もしくはその自分が作った物質、成果物、価値観、考え方、それに意味があるのではなく、それを含んでそこに至るまでのストーリーこそが大事な部分。→物語性
そこが人に面白がってもらえたり、役立ててもらえる部分。それに価値があるって思えば、自分はどんな状況だった時、どんなことを考えてどんなふうにしようと思ってどういうことを取り組んでどうなったのかそこに意識が向く。