コミュニティでの共同信憑に支えられてシャーマンの治療は実際的効果をあげる
例えば、シャーマンが守護霊や悪霊を持ち出して治療するとする。
これは現代人が知ってる病気が治るプロセスをたどっていない
ある器官が炎症を起こしてるとか、この部分に健康な時と比べて異常が認められるとか、そういったものではない。
でもその治療にもポジティブな効果が報告されていたりする。
患者やシャーマンを含む社会で信じられている物語や世界観があるからだと考えられる
レヴィ=ストロースはこれを共同信憑という言い方で説明した。
「すなわち、シャーマン治療の効果は、現代医療の合理性からは説明できない。しかし、患者、治療者、家族、部族の人間たちに共有されている「病」の原因についての共同的信憑が、治療の効果を支える重要な原因となっていることは十分に推測される。患者の人々にも言い表せない病の原因が、シャーマンの言葉と振る舞いと施術によっていわば「象徴的に」「与えられ」、さらに除去されるように見える。」
『新・哲学入門』竹田青嗣、講談社現代新書、p154
これを見てなんか吉本隆明が「共同幻想」とか言ってたのが頭に浮かんだ。多分関係ある。
『共同幻想論』
『吉本隆明の経済学』
というか勝手に意味を与えてその文脈で取り除いて治療できたことになってるのはマッチポンプ感がすごい。
が、それが効果を上げているところに人間の面白さがある
精神的な部分から物理へのアプローチ
そのよく分からないブラックボックスの部分としての無意識
大乗仏教の無意識と心理学の無意識