鉄の時代
鉄の時代
オウィディウスは、人間の時代を4つにわけて、歴史的変遷をあとづけています。黄金、銀、青銅の時代に続き、鉄の時代が訪れたとのべていますが、それは、欲望と争いに満ち満ちた時代です。
しかし、チョモランマ帰りの彼を待っていたのは、未踏峰チューレンヒマールを担う若手OB・現役たち。その登山申請中に、双耳峰の南、西両峰も韓国隊と静岡大に登られたばかりとわかる。まさにジャイアンツ挑戦の黄金時代が過ぎて、大衆化が急速に進んだ鉄の時代の現実にまともにぶつかった。
その偶然のなりゆきから、著者は初の試みであるヒマラヤ縦走という形式――二ないし三の頂上をもつ山塊に、複数の極地法を同時に使い主稜線を縦走でつなぐ形をつくり出していく。サミッターだけを全員が押し上げる極地法とは違う“チームの文化”の創造――。 アルプスにおける登山の歴史と異なり、ヒマラヤの登山は、黄金時代から銀の時代を飛び越え、いっきに鉄の時代に突入した。新しい登路からする、より困難な登はんが、ヒマラヤの巨峰で次々と試みられてきた。1963年アメリカ隊のエベレスト西山稜登はんであり、1970年日本隊はエベレスト南壁を攻撃し、イギリス隊はアンナプルナ南壁を登はんした。
alpinism
アルピニズム