道徳感覚学派
道徳感覚学派(どうとくかんかく-がくは、英: moral sense school)とは、善悪判断に関して、「感覚」(sense、道徳感覚, moral sense)や「感情」(sentiment、道徳感情, moral sentiment)の働きを重視した、18世紀イギリスの倫理学(道徳哲学)者たちの総称。モラルセンス学派とも。
ジョン・ロックに教育を受けた第3代シャフツベリ伯爵に始まり、「道徳感覚理論」(moral sense theory)をまとめ上げたフランシス・ハッチソン、イギリス経験論の末席に列せられるデイヴィッド・ヒューム、そして『道徳感情論』(Theory of Moral Sentiments)を著した古典派経済学の祖・アダム・スミス等がここに含まれる。
道徳感覚理論(道徳感傷主義とも呼ばれる)は、道徳認識論およびメタ倫理学における道徳的真理の発見に関する理論である。道徳感覚理論は、一般的に、道徳と非道徳の区別は経験に対する感情的な反応によって発見されると主張する。道徳感覚理論を、道徳的事実または道徳的信念の本質に関する見解(主に形而上学的な見解)と捉える者もいる。この見解は「感傷主義」と呼ばれることが多い。一方、道徳感覚理論を、道徳的信念を正当化する本質に関する見解(主に認識論的な見解)と捉える者もいる。この見解は「道徳感覚理論」と呼ばれることが多い。しかし、道徳的事実と、それを信じることが正当化される理由の両方が、必然的に人間の感情と結びついていると主張する見解を、道徳感覚理論と呼ぶ理論家もいる。