進歩と貧困
進歩と貧困
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本論は、ヘンリー・ジョージの思想の受容をめぐって日本と中国の土地問題を検討するものである。日本の自由民権運動から社会主義運動へ、中国の辛亥革命運動から新民主主義革命運動へと発展する過程において、両者の共通点と相違点は、実にさまざまであった。土地問題をめぐって展開された議論は、いずれもヘンリー・ジョージの単一租税論と直接か間接に関連している。 日本では、単一租税論がキリスト教社会主義者の間で唱えられただけであったのに、中国では、クリスチャンである孫文が、単一租税を一つの土地政策として実施した。ヘンリー・ジョージの単一租税論に影響された日本と中国が、その思想に対して、どう吸収し、また、どのように反響したかについてを究明し、両国の近代化の理解を深めるのが、本論の主な目的である。
現政権の不動産政策は、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府にルーツがある。初代大統領政策室長だった李廷雨(イ・ジョンウ)慶北(キョンブク)大学教授は、19世紀の米国人思想家、ヘンリー・ジョージを慕うジョージストだった。ヘンリー・ジョージは、貧困と不平等の原因を土地の独占的所有に見て、土地私有を否定した。当時、不動産政策が需要供給論理よりも理念的根幹を持っていたことをうかがわせる。
時代遅れの社会主義理論を成熟した市場経済に投射したため、あちこちで破裂音が出るほかなかった。当時の政権勢力は、「江南(カンナム)=投機」というフレームを組み、ここに保守勢力とメディアをはめ込んだ。そして、不動産を道徳律の核心指標に使った。
文在寅(ムン・ジェイン)政府では昨年、大統領が憲法改正案を国会に発議した時、土地公共概念を明示してヘンリー・ジョージを復活させた。江南フレームが多住宅者のフレームに拡大したのも、ヘンリー・ジョージの土地共有の主張と同じ脈絡だ。「自分が住む家でなければ売れ」と期限まで提示した政府の要求は、不動産に対する基準が厳格に変わりつつあることをうかがわせる。知らず知らずにヘンリー・ジョージは社会のあちこちに深く入り込んでいる。