読んでいない本について堂々と語る方法
読んでいない本について堂々と語る方法
これは本気で読書するための教科書なので,誰も書名に惑わされてはならぬ.
【目次】
序 3
I. 未読の諸段階(「読んでいない」にも色々あって……)
1.ぜんぜん読んだことのない本 15
2.ざっと読んだ(流し読みをした)ことがある本 28
3.人から聞いたことがある本 49
4.読んだことはあるが忘れてしまった本 66
II. どんな状況でコメントするのか
1.大勢の人の前で 81
2.教師の面前で 97
3.作家を前にして 112
4.愛する人の前で 127
III. 心がまえ
1.気後れしない 141
2.自分の考えを押しつける 161
3.本をでっち上げる 181
4.自分自身について語る 198
結び 215
訳者あとがき 221
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本は読んでいなくてもコメントできる。いや、むしろ読んでいないほうがいいくらいだ…大胆不敵なテーゼをひっさげて、フランス論壇の鬼才が放つ世界的ベストセラー。これ一冊あれば、とっさのコメントも、レポートや小論文、「読書感想文」も、もう怖くない。
著者はそこで、モンテーニュ、ヴァレリー、バルザック、漱石、オスカー・ワイルドといった諸賢の知恵を引き合いに出しながら、「本は読んでいなくてもコメントできる」と説く。「読んでいることがかえって障害となることもある」とまで言う。そもそも「読んでいない」とはどういう状態をいうのか。「流し読み」や「飛ばし読み」は読書に入らないのか。逆に「完読」状態などというものがありうるのか……。著者は、こうした読書論的考察から始めて、最後は未読書について語るための具体的方法まで伝授する。 著者の大胆不敵なテーゼの出発点となっているのは、われわれはじつは普段からよく知りもしない本を話題にしたり、読んだつもりになったり、読んだふりをしたりしているという、「理想」とはかけ離れた読書の現実である。著者はそれを批判するのではなく、そこに潜む知恵を探り、手練手管を明らかにしようとするのである。