読めるものにして手渡してくれたんだよね。別に情報として新しい何かが加わったわけじゃなくて、解釈し直したものを
読めるものにして手渡してくれたんだよね。別に情報として新しい何かが加わったわけじゃなくて、解釈し直したものを
高橋 文楽もそうだし、浄瑠璃の本も書いています。橋本さんは、ぼくたちが捨ててきたものを全部ひとつずつ拾って、まとめあげて、編み直して……
安藤 新しいものにした。
高橋 うん、読めるものにして手渡してくれたんだよね。別に情報として新しい何かが加わったわけじゃなくて、解釈し直したものを。
安藤 その解釈し直すことこそが批評なんだと私は思っているんです。橋本さんは、なによりも批評を実践した。批評して、つまり解釈し直して、言葉によって新しい世界を広げることを目指していたんだと思います。
橋本治 高橋源一郎 安藤礼二