毛沢東が著書の中で「戦争を行うための最も豊かな力の源泉は自民大衆の中にある」と書いている
ロシアの侵攻軍は、領土を確保するにはあまりにも小さ過ぎた。特に、中国の革命指導者毛沢東が「人民戦争」と呼んだような、ロシア軍に対して蜂起したウクライナの住民を相手にするとなればなおさらである。毛沢東が著書『持久戦論』の中で、「戦争を行うための最も豊かな力の源泉は自民大衆の中にある」と書いている。毛沢東は、よく組織された抵抗活動では、侵略軍は「直立している何億もの我が国民に囲まれ…. 焼け死ぬだろう」と主張した。33 ロシアは、人口約4,400 万人、面積60 万平方キロメートル以上のウクライナへの最初の侵攻に際して、 正規軍と非正規軍を合わせて 15万から19万人の兵士を投入した。34 この数字は、ウクライナ人1,000人あたり4人のロシア軍兵士の割合に相当する。
征服した領土を保持するのに必要な兵士の数について正確な公式はないが、敵対する現地住民を鎮圧するために、人口1,000人あたり20人の兵士の比率が必要とされたこともある。35 基本的な法と秩序を確立するためには、一般に大量の兵士が必要である。例えば、第二次世界大戦の終わりには、米国が支配するドイツの区域では、人口1,000人あたり101人の米軍兵士がいた。最近では、1995年にボスニアの人口1,000人あたり19人の米軍兵士が、2000年にはコソボの人口1,000人あたり20人の米軍兵士と欧州軍兵士がいた。36
一般に、これより低い兵力比率では、敵対する住民を鎮圧することはできない。例えば、イラクでは、米国は人口1,000人あたり7人の兵士を配備していたが、イラク政府軍とスンニ派民兵の協力を得たとしても、絶え間ない致命的な反乱が続いていた。米陸軍参謀総長のエリック・K・シンセキは、2003年2月に、戦後のイラクの安全を確保するためには「数十万人」の兵力が必要になるだろうと議会に警告した。37 アフガニスタンでは、アフガニスタン国家安全保障部隊の協力を得て、人口1,000人あたり1人の兵士を確保したに過ぎない。このような少人数で、米国とNATOの同盟国は長期にわたる反乱に直面し、2021年にアフガニスタン政府を転覆させるに至ったのである。38 ウクライナにおけるロシア兵の兵力比率は、都市を含む領土を長期間にわたって維持するにはあまりにも小さ過ぎた。
The Issue
問題点
Russia has failed to achieve most of its objectives in Ukraine because of poor military planning, significant logistical problems, low combat readiness, and other deficiencies, which undermined Russian military effectiveness. These and other challenges—including Ukrainian military efforts and Western aid—severely impacted Russian air, ground, cyber, and maritime operations. Russia’s failures will force the Russian military to fundamentally rethink its training practices, organizational structure, culture, logistics, recruitment and retention policies, and planning efforts. Nevertheless, Russia is still attempting a de facto annexation of parts of eastern and southern Ukraine that it controls.
ロシアは、軍事計画の不備、重大な後方支援問題、低い戦闘準備、その他の欠陥により、ウクライナにおける目標のほとんどを達成することができず、ロシアの軍事的有効性が損なわれている。ウクライナ軍の努力や欧米の援助など、これらやその他の課題は、ロシアの航空、地上、サイバー、海上作戦に深刻な影響を及ぼした。ロシアの失敗は、ロシア軍に訓練方法、組織構造、文化、ロジスティクス、採用・維持政策、計画立案努力の根本的な見直しを迫るものである。とはいえ、ロシアは今もなお、ウクライナ東部と南部の一部を支配下に置き、事実上の併合を試みている。
33 Zedong, Selected Works of Mao Zedong.
34 On the size of the Russian advance see, for example, Mark F. Cancian, “Russian Casualties in Ukraine: Reaching the Tipping Point,”
russian-casualties-ukraine-reaching-tipping-point/. On Ukrainian
population and size estimates, see Central Intelligence Agency, The
World Factbook (Langley, VA: Central Intelligence Agency, 2022),
35 See, for example, James T. Quinlivan, “Force Requirements
for Stability Operations,” Parameters 25, no. 1 (1995): 59–69
doi:10.55540/0031-1723.1751; James Dobbins, Seth G. Jones, Keith
Crane, and Beth Cole DeGrasse, The Beginner’s Guide to Nation-Building (Santa Monica, CA: RAND, 2007), 19–45, https://www.rand.org/ pubs/monographs/MG557.html.
36 Dobbins et al., The Beginner’s Guide to Nation-Building, 39.
37 Nicolaus Mills, “Punished for Telling the Truth About Iraq War,” CNN,
38 Dobbins et al., The Beginner’s Guide to Nation-Building, 39.
毛沢東選集
https://gyazo.com/81a26472c6a7c7ea5f4eb23f6de233e6