植物園の世紀
植物園の世紀: イギリス帝国の植物政策
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その根幹にあったのは、経済的な欲求です。イギリス人が植民地に出かけたのは、何よりも経済的な動機がいちばんでした。本書では、植物園という、現在からすると趣味的に思える空間を扱いながらも、経済的な視点から分析が進められています。植物資源の有効利用を研究し、食料や染料を安価に効率よく生産することは、最終的には国益へとつながっていたのでした。とはいえ、植物園が博物学や庭園趣味と結びついていたのも事実です。本書に収められた多数の図版からは、イギリスのひとびとが、いかに熱帯の自然に目を見開いたかが伝わってきます。