未来の偏りと不平等の話
未来は既にそこにある。均等に分配されていないだけだ
ビリオネアたちが宇宙へ行くニュースを見るたびに加速主義者の Exit が頭をよぎる(せっかく脱出したのなら帰ってこなくて良いのに)。
ビリオネア、宇宙へ行く
しばしば引用されるウィリアム・ギブスンの言葉に「未来は既にそこにある。均等に分配されていないだけだ」というものがある。富の偏りは未来の偏りであり、縁故資本主義によって格差が拡大し続けているこの状況は、私たちの未来が奪われ続けていることを意味している。未来を奪われた私たちは、ただただいまを生き抜くことに精一杯だ。
富の偏りは未来の偏り
縁故資本主義
未来はすでにここにある。ただ均等に行きわたっていないだけだ
インタビューの終わりに、暦本氏がギブソンに、以下の有名な発言の真意を質問している。
ギブソンによればつまり、過去の歴史を振り返ると、未来を先取りした研究や発表があっても、誰にも気づかれないまま時が過ぎてしまっていたりする。重要な研究の発表が長い期間無視されていたりとか。
誰にも気づかれない
無視
“…だから自分の周りの世界でも 未来につながるようなことがないか探すようにしてみたんだ”
そんな視点から「ニューロマンサー」という物語が生まれた。仮想空間に没入する “jackin”のアイデアは、ギブソンがたまたま見かけた、ゲームセンターで遊ぶ若者の様子から着想を得ている。彼らが、ゲームに夢中になりすぎて、画面の向こう側の世界に完全に没入してしまったようだったと。
“私はSFというのは未来を予測するというよりは 私たちが今いるこの世界をいかにユニークな視点で見るかというのが重要だと思うのです”
この世界をいかにユニークな視点で見るか
“私が「ニューロマンサー」でやったことは自分の周囲を見回して 自分にとって未来だと感じられることを 現実世界の中で探すことでした。すでに現実の中に存在している未来を見つけて その進化を想像したのです”
すでに存在している未来
「私たちが今いるこの世界を いかにユニークな視点で見るか」。
この世界を いかにユニークな視点で見るか
不平等な情報
H.G.ウェルズは、人類が平和で調和の取れた生活を送るために必要な情報を全て持っているが、それらの情報はまとまりのない分散した状態で存在し、ほとんどの人がそれにアクセスできていないという問題点を指摘しました。