曖昧の七つの型
曖昧の七つの型
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詩の美しさは〈曖昧〉にある。 ウィリアム・エンプソンは、詩の美しさとは、その言葉の音調の美しさや、 雰囲気の霊妙さにあるのではないと断言し、詩を構成する語が、 同時にいくつかの意味を持つ多義性にあると主張し、これを〈曖昧〉とよんだ。 彼は詩の言葉の〈曖昧〉を、意味の重なり方の複雑さに従って七つの型に分類し、 チョーサー、シェイクスピア、ポープ、キーツ、シェリー、エリットら、 古今の英詩を仔細に分析した。言語分析批評の確立であった。 エンプソンのこの〈曖昧〉の概念とその分析手法は、ニュー・クリティシズムを生み、 さらにその後の文学批評の流れの中でも強い支持を失うことはなかった。 W・エンプソン『曖昧の七つの型』(研究社、1974年/岩波文庫、2006年)
出版社
研究社出版
発売日
1985/1/1
出版社
岩波書店
発売日
2006/4/14
ウィリアム・エンプソン氏が著した「曖昧の七つの型」という曖昧に関しての類型学的試論。
以下に曖昧の七つの型の概念図を示す。
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第一類型は語あるいは文法構造が同時に数個の効果をもつ場合。
文法構造としての意味がいくつかの意味に捉えられる場合であり、最も基本的な曖昧の状態といえる。
文脈からひとつの意味として限定することができない場合はこの第一類型が当てはまるが、この曖昧の型を選択する場合はひとつの意味として伝えていないか、もしくは多数の意味を伝えるための技法といえる。
構造が非常に明快で単純であるため、曖昧の状態を最も端的に示している型であり、文脈によっては曖昧ではなく明確に意味を伝えることができる。
第二類型は二つのあるいはそれ以上の意味が融け合って一つの意味になる場合。
第一類型と比べると、文脈による意味を捉えることによって本来の意味とは異なる解釈を可能にしている例である。
第三類型は二つ以上の意味を持つ語の書く意味が、コンテクストの中でともに適切である場合(すなわち地口)
第四類型は文章の意味が二つ以上あり、それぞれの意味がたと一致せずに複雑な心理状態を明らかにする場合
第五類型は比喩が正確にあてはある対象を持たず、二つのあいだで宙ぶらりんになり、一方から他方へと動いているような場合
第6類型はある語が、類語反復や矛盾を引き起こし、結局なにひとつ述べていない場合
第七類型は語の二つの意味が、コンテクストによって限定された二つの対立する意味をなし、基本的分裂を示している場合