情報がアテンションを消費する
情報がアテンションを消費する
堀内進之介
私たちの生きる情報化時代の特徴は、これまでの時代とは違って、情報を取得するよりも、選択する方がはるかに難しくなったということである。メディア接触時間の増加は、情報を選択するためのザッピングに要する時間の増加でもある。容易にアクセスできる膨大な情報の存在は、情報の選択時間の増加と反比例して、情報の価値を急激に低下させている。実際、ニュース、ゴシップ、教養、娯楽、誹謗中傷など、どんな種類の情報も大半が無料で手に入る。このような情報環境で育った人にとっては、情報はもはや希少ではなく、それゆえ、情報の入手にお金を支払うのは馬鹿々々しく思えるかもしれない。
現代こそが情報化時代である?
自分は考古学的思考に基盤を持っているので、「現代こそが情報化時代である」とは思っていなくて
このような事象は有史以来ずっと続いていて、異なるのはそのスケールだったりスピードだったりする、というふうに考えている
そのスケールとスピードについては過去の人たちにとっては驚異的だったものを、すでに我々は普通に扱うようになっているというふうに考えている
未来において彼らはそれを克服する(それに慣れる?)、まさに現代の我々はそのようにしてきたのだから、という認識
その結果として世界は姿を変えるわけだが、それがユートピアなのか? / ディストピアなのか?、というのはわれわれにとっての問題なのであって、未来の彼らにとっては選択肢ではなくて標準、世界である