思想の中の数学的構造
思想の中の数学的構造
https://gyazo.com/c57cb036c5a59fd7cc7dc25466956537
レヴィ=ストロースが“発見”した親族の基本構造は、まさに現代数学の「群論」そのものであった。それは20世紀の構造主義が、ヨーロッパの正統の流れを、すなわち古代ギリシアにおける思弁と数学の幸福な結合を、現代に“再発見”したことを意味した。そこから見えてくるものは何か。プラトンのイデア数、ライプニッツの予定調和説、カントの認識論、ヘーゲルの解析学/歴史観、ニーチェやオルテガの遠近法主義、フッサールの現象学、さらに、中国周代の易に見る二進法、孟子における階級と関数概念など、精緻な数学的アプローチと該博な知見から生みだされた、ユニークな比較思想史的論考。 目次
1 構造の学とその応用
(かたち、形式、構造、科学思想のキー・ワードとしての外延、人文科学における群論の使用)
2 数学と思想の構造的共通性
(数学と哲学における生成の概念、歴史観の数学的モデル、遠近画法と遠近法主義 ほか)
3 数学的構造と社会イメージ
(比の思想の社会的背景、比例の思想と階級の思想、関数概念の原初的形態 ほか)