大企業の管理方式は管理対象が100人を超えると急激にドライブするのだ
大企業の管理方式は管理対象が100人を超えると急激にドライブするのだ
そう、大企業の管理方式は管理対象が100人を超えると急激にドライブするのである。
かつて僕はベンチャーを経営していたとき、社員が40人を超えると仕事を把握できなくなることにすごく悩んでいた。その会社は最終的には120人くらいの会社に成長したのだが、仕事としてはバラバラの集団を集めて管理方式も意思決定もバラバラの組織がたまたま同じ会社の屋号を使っている、という感じだった。そうなると成長が止まった。
それが大企業の管理方式を導入してみると、全く異なる感想を抱くようになった。経営者の立場から見ると、人が増えていることに気づかないくらいなのだ。そして人が増えているのに「まだ足りない」と思うようになるのである。そして会社で何が起きているのか、ほとんど完璧にわかるのである。錯覚かもしれないが。そういう錯覚すら、以前は抱いたことがなかった。
大企業出身の人事部長は一通り僕の会社の人間をインタビューして、「どうやら、この会社は清水さんを中心にまわっている」と言った。それが当然だと思っていたので僕は「そうですね」と言った。ところが「それはまずい」と言われた。その時は意味がよくわからなかった。
人事改革が断行されて、ようやく意味がわかってきた。会社というのは部長が回すものなのだ。部長は責任を持ち、判断し、判断の責任をとる。いかに優れた部長を育てるかが大企業の持つ潜在的な能力なのである。優れた部長が育てば、自動的に会社は優れた成果を手にすることができる。この教育システムこそが大企業の強みであり、大企業が何万人という従業員を抱えながらも成長を維持できるのは伊達や酔狂ではないということだ。
そうすると僕に求められる役割はなにか?
社長として部長からエスカレーションされた提案を聞き、YESかNOを答えることである。