哺乳類の体重の進化には歩行様式が関係していた
哺乳類の体重の進化には歩行様式が関係していた
哺乳類には、足裏をつけて歩く蹠行性(ネズミ、ヒト等)、指先だけをつけて歩く趾行性(ネコ、イヌ等)、つまさきだけをつけて歩く蹄行性(ウマ、シカ等)の歩行様式があります。これらの移動様式が哺乳類全体でどのように進化してきたのか、また蹠行性には小型種が多く趾行性や蹄行性には大型種が多いという現在の哺乳類の種構成がどのように形成されたのかについての研究はほとんど行われていませんでした。
本研究により、哺乳類の共通祖先は蹠行性である事、趾行性は哺乳類の様々な分類群で独立に何度も進化している事、蹠行性-趾行性間と趾行性-蹄行性間では進化が起きるが、蹠行性から蹄行性への進化は起きない等、哺乳類の個々の分類群の化石からの推定と合致する結果が得られました。さらに、体重の進化速度は移動様式が変わる時はそうでない時の7倍にもなる事が明らかになりました。この結果は蹠行性から趾行性、趾行性から蹄行性へと移動様式が進化する時に大型化が起きた事を示唆しています。