冷戦とはなんなのか
冷戦とはなんなのか
なぜ「冷戦」と呼ばれたのか?
「冷戦」という言葉は、欧州諸国間の関係が険悪になっていく様子を表現するためにフランスで「ゲール・フロワ(冷たい戦争)」という表現が使われていた1930年代から存在した。その後、1945年に米国が広島と長崎に原爆を投下した直後、英国の作家ジョージ・オーウェルが、原爆が国際関係において何を意味するかを探るエッセイの中で、冷戦という言葉を使った。 ジョージ・オーウェル
Tribune
1945年10月19日
Open Shelf
冷戦(れいせん、英: Cold War、露: Холодная война)もしくは冷たい戦争(つめたいせんそう)は、第二次世界大戦後の世界を二分した西側諸国(アメリカ合衆国を盟主とする資本主義・自由主義陣営)と、東側諸国(ソビエト連邦を盟主とする共産主義・社会主義陣営)との対立構造
第二次世界大戦の終結直前の1945年2月から1989年12月までの44年間続き、連合国としては味方同士であったアメリカ合衆国とソビエト連邦が軍事力で直接戦う戦争は起こらなかったので、軍事力(火力)で直接戦う「熱戦」「熱い戦争」に対して、「冷戦」「冷たい戦争」と呼ばれた。
この準戦時体制は後に「冷戦」(“the Cold War”)と呼ばれることになる。「冷戦」という言葉を「核兵器を中心に置いた東西冷戦」という意味で最初に使った人間は、バーナード・バルーキ(Bernard Baruch)である。バルーキはもともと金融家、というより金融投機業者だった。遺伝学的にいえば、現在のゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースの祖先筋にあたる。 しかし、「冷戦」(the Cold War)という言葉そのものを最初に使った人間は、「1984年」の作者で、ジャーナリストのジョージ・オーウェルである。バーナード・バルーキに先立つこと約1年半前の1945年10月19日付のトリビューン紙に「あなたと原爆」というエッセイを寄稿し、そのエッセイの中で「冷戦」(the Cold War)と言葉を始めて使った。しかしその意味は、バーナード・バルーキやウォルター・リップマンとは全く違っていた。