光学式心拍計の仕組み
光学式心拍計の仕組み
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反射型脈波センサ
反射型脈波センサは、赤外線や赤色光、 550nm付近の緑色波長の光を生体に向けて照射し、フォトダイオード又はフォトトランジスタを用いて、生体内を反射した光を計測します。動脈の血液内には酸化ヘモグロビンが存在し、入射光を吸収する特性があるため、心臓の脈動に伴って変化する血流量(血管の容量変化)を時系列にセンシングすることで脈波信号を計測します。
また、反射光の計測なので、透過型のような、測定個所を限定する必要がなくなります。
赤外線や赤色光を使って脈波を計測する場合、屋外では太陽光に含まれる赤外線などの影響を受けてしまい、安定した脈波測定ができません。このような理由で屋内や半屋内に限定した用途での使用が推奨されます。
スポーツウオッチなど屋外使用する用途での脈波計測では、血液中のヘモグロビンの吸収率が高く、外乱光の影響の少ない緑色の光源が適していることから、ロームでは緑色LEDを照射光として使用しています。
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人の目に,血液が赤く映るのは,血が赤色を反射しているわけで,言い換えれば,緑などの色はすごく吸収されるのですよね.
血中のヘモグロビンはセンシティブに良く緑色を吸収しますが,血液は流れているので計測箇所のヘモグロビンの量は変化します.
そのため,吸収度合いと,反射度合いは血液の流れによって決まります.
光学式心拍計測技術の仕組み
ウォッチの裏面(肌に接触する部分)に内蔵されている光学式心拍センサーは、手首にLEDの光を照射し、血流によって反射される散乱光の量を測定します。この技術は、脈拍あるいは血液量(心拍出量)の変動などによって血流動態が変化すると、その変化に応じて体内に浸透する光が予測可能な方法で反射(散乱)されるという事実に基づいています。
手首での光学式心拍計測について知っておくべきこと
手首での光学式心拍計測は、簡単で便利な計測方法です。ただし、光学式心拍計測技術による測定精度と信頼性は個人によって異なり、特定の種類のアクティビティやスポーツではまったく機能しない可能性があるので注意してください。現時点において、最も正確な光学式心拍計測技術を用いても、チェストストラップ型心拍センサーによる測定データとの誤差は、90パーセントの確率で5パーセント以内にとどめるのが限界と言えます。
Valencell社との協力により、当社は心拍数の読み取りに影響する以下の要因を突き止めることができました。
温度が低い環境でエクササイズを行う際、体温を維持するために腕や脚(上肢・下肢)から身体の中心(体幹)に向かって血液が送られるようになります。このため腕への血流が減少してしまうことから、センサーによる正確な心拍数の読み取りがさらに困難になります。
普段から手が冷えやすい人は、エクササイズを行う前に適切なウォーミングアップを行うことで、心拍数の読み取り精度を向上できる場合があります。
センサーの読み取り精度は、クロスフィットなどの高い運動強度のトレーニングやテニスラケットを握るなど、腕の動きや筋肉の収縮によって影響されます。激しい振動を伴うスポーツ(舗装の悪い道や砂利道、段差の多い不規則な地形でのサイクリングなど)では読み取り精度が損なわれる可能性があります。
水中では水がウォッチの下を通るので光学センサーによる正確な心拍数の読み取りに影響するため、スイミングなど水中でのスポーツアクティビティでは正確に心拍数の読み取りができない可能性があります。
光学センサーは、濃いタトゥーなどによって光が妨害されると正確な読み取りができないことがあります。
エクササイズ開始時に心拍数が高すぎたり低すぎたりする
エクササイズ開始時に正確な心拍数がウォッチに表示されない場合、ウォームアップを行うことで問題が解決することがあります。
自分自身のウォームアップ:手首での心拍計測機能の性能は、腕と手の血管を流れる血液の量によって大きく左右されます。適切なウォームアップを10~15分間行うことで血流が増加し、手首から測定される心拍数の精度が向上します。
心拍センサーのウォームアップ:センサーが心拍数を読み取れるようになるまで数分程度の時間がかかります。センサーがウォームアップする時間を確保するには、ワークアウトの準備中(着替え時間など)にエクササイズ開始画面を開いておくことをお勧めします。
より正確な読み取りのためにチェストストラップ型心拍センサーを使用する