個人向け国債変動10
個人向け国債変動10
例えば、何らかの基金が「原則として損失を出してはならない。50%程度は国債で運用し、残りの資金も国債とほぼ同等の信用度がある債券で運用しなければならない」という条件を課せられて運用を行っている場合を考えてみよう。
マイナス金利でも国債をはじめとする債券を買うのか、それとも利息は全く付かないが、全額が預金保険の保護対象になる決済性預金(当座預金など)に資金を置き続けるのかの選択を迫られる。預金保険の信用度を政府と同じと考えるなら、後者を選択することになるのだろうが、資金を増やす可能性を全く放棄することになるので、悩みは深い。
ほぼ似た性質の資金の運用担当者と話したことがあるのだが、「個人は、国による元本保証で、しかも金利に0.05%の下限がある変動金利型の個人向け国債を買うことができるのでうらやましい」と言っていた。
個人向け国債変動10の長所は主に以下の三つだ。
(1)国債なので銀行よりも安全である
(2)変動金利型かつ元本保証なので将来の金利上昇リスクに強い
(3)最低利率0.05%はメガバンクの定期預金金利0.01%よりも有利