企業や合併が反競争的かどうかを判断するために消費者価格を使用するだけでは不十分だ
企業や合併が反競争的かどうかを判断するために消費者価格を使用するだけでは不十分だ
ジョー・バイデン米大統領は、反トラスト法学者のリナ・カーンを連邦取引委員会の委員に指名する予定だと報じている。現在、カーンはコロンビア大学法科大学院の准教授を務めている。カーンは、彼女がまだ法学部の学生だった2017年に、大ヒット論文『Amazonの反トラスト・パラドックス (Amazon’s Antitrust Paradox)』をエール・ロー・ジャーナルに発表したことで、反トラスト法のスーパースターに躍進した。
『Amazonの反トラスト・パラドックス』の中で、カーンは、企業や合併が反競争的かどうかを判断するための重要な基準として消費者価格を使用するだけでは不十分で、Amazonの大きさと規模が反競争的であると主張した。
今日、反トラスト法の主張を評価する裁判官は、企業が競合他社をいくつ持っているのか、またはそれが経済にどのような影響を及ぼしているかを調べず、単に企業のビジネス慣行が消費者に価格を引き上げたのかどうかということだけを見る傾向にある。それが、主なサービスが無料で提供されるGoogleやFacebookのような会社を残した。彼らは競合他社を買収し、人々が目にする情報について莫大な力を集めたにも関わらず、大部分は見過ごされてしまった。
グーグル、フェイスブックなど巨大IT企業による市場独占への批判の急先鋒で、「反トラストのクルセイダー(活動家)」とも呼ばれるコロンビア大学教授、ティム・ウー氏が米バイデン政権入りすることが3月5日、発表された。
米メディアは9日、バイデン大統領が米国の独禁当局である米連邦取引委員会(FTC)の委員にコロンビア大法科大学院のリナ・カーン准教授を指名する意向だと報じた。カーン氏は巨大IT企業への規制を主張する反トラスト法(日本の独占禁止法に相当)の専門家で、バイデン政権の巨大IT企業への厳しい姿勢を示す人事とみられている。 カーン氏はエール大法科大学院の学生だった2017年に発表した論文「アマゾンの反トラスト・パラドックス」で一躍有名になった新進の法学者。同論文は従来の反トラスト法の枠組みに反論し、アマゾン・ドット・コムなどへの規制の必要性を論じた。FTC委員の顧問や反トラスト法を管轄する下院司法委員会の小委員会の顧問も務めた。