代表権なくして徴税権なし
代表権なくして徴税権なし
「一票の格差」がしばしば問題になります。選挙の際の人口格差の結果生まれる問題で、憲法違反かどうかが、司法でも争われ、新聞の論調も酷く厳しいものです。しかし、一方に「代表権なくして徴税権なし」という原則があります。この原則は、アメリカ植民地が、イギリス(の王権)に対して闘わねばならぬ理由を列挙した、あの「独立宣言」で謳われている諸理由の中でも、最も合理的な論点の一つとされています。人口の少ない地域でも、納税義務が残っている以上、代表権は「平等に」認められなければならないはずです。だとすれば、人口の少ない地域で、代表者がその資格を獲得する上での得票数が、大都市におけるそれよりも少ないから怪しからん、という理屈は、「平等」の理念の過剰からくる錯誤ではないでしょうか。