三杯のコーヒーと一枚のトーストによって私は現実に接続する
三杯のコーヒーと一枚のトーストによって私は現実に接続する
小便を垂れているときの、もしかしてまだ悪夢の中にいて、夢の中の便器に向かって放出しているのではないかという感覚がずっとする。仕事の昼休み中に小便をしているときはいつも夢との境界が曖昧になって口の中がザラザラしてくる。正しい場所で小便ができているのかよく不安になる。白昼夢という感覚が最近までよくわからなかったが、たぶんこれだと思う。 長い休みが終わって私の5月がほぼ正常に始まった。相変わらず三杯のコーヒーと一枚のトーストによって私は現実に接続する。これらを決まった時間に咀嚼して、その苦かったり甘かったりする味を確認することで夢と現実の境界がややはっきりとしてくる。どっちがどっちの延長線上にあるのかときどき怪しくなるが、現実のほうが情報量が多い気がする。ときどきいちごジャムの代わりにマーマレードが塗ってあって、コーヒーが薄まったり濃くなったりする。