ヴィキングル・オラフソン
ヴィキングル・オラフソン
ヴィキングル・オラフソンというアイスランドのピアニストがいます。何がきっかけだったか*、
ヴィキングル・オラフソン (Víkingur Ólafsson、1984年2月14日 ~)はアイスランドのピアニスト。
彼がバロック時代のフランスの作曲家ラモーと、同じくフランスの近代の作曲家ドビュッシーをミックスしたアルバムを出したのを聴いて、とても面白いと思いました(どっちがどっち?みたいな曲の配列になっていた)。このアルバムを聴いて以降、ラモーはわたしのお気に入りの作曲家の一人になりました。
ラモー
ドビュッシー
またオラフソンはミニマル・ミュージックの作曲家に分類されることの多い、フィリップ・グラスのアルバムも出しています。これも聴きましたが、フィリップ・グラスがこういうピアノ曲をつくっているとは知りませんでしたし、オラフソンの演奏で聴くグラスはとても魅力的に(いつの時代のどういう音楽?のように)聞こえました。
フィリップ・グラス
最近は『モーツァルトと同時代作曲家たち』というタイトルのアルバムを出したようで、これもぜひ聴いてみたいと思っています。同時代作曲家の中にエマニュエル・バッハ(S.バッハの息子)が入っていて、好きな作曲家の一人なので、どんな演奏をオラフソンがしているのか興味があります。実はE.バッハの曲をピアノで弾いていて、これってモーツァルトじゃない? あるいはモーツァルトはこれを聞いたに違いない、と思ったことがあるのです。(E.バッハはモーツァルトより40歳以上年上)
エマニュエル・バッハ
<ラモーとドビュッシーの組み合わせ><モーツァルトと同時代作曲家たち>どちらのコンセプトも、オラフソンという演奏家の強烈な音楽観やインスピレーションから発生したものに見えます。そしてその音楽観を生んでいるのは人間性であり、オラフソンがこの世界をどのように見ているかの現れだと思います。
演奏家というのは「再創造」をする人、つまりすでにある作品を解釈して高い技術で「再現」して提供する人と見られてきました。実際、いまでも大半のピアニストやピアニスト志望者はそれを目標に活動していると思います。
演奏家というのは「再現」する人と見られてきました
しかしそうではない道も、演奏家にはありそうです。音楽というものを歴史の縦軸、地理的な横軸で見渡し、視点を定めて世界を再構築し、演奏をつうじて新しい音楽の見方、聴き方を提出する、そのような音楽家のあり方もきっとあると思います。
世界を再構築し
新しい音楽の見方、聴き方