ロック・ファミリー・ツリー
ロック・ファミリー・ツリー
定価 9,900円 (本体:9,000円)
発行予定日 2022年1月17日予定
著者
ピート・フレイム
訳者
新井崇嗣
瀬川憲一
うわぁ〜,これマジで出るんですかー(狂喜).空前絶後のロックンロール系統樹図版集.ワタクシのもとには原書はすべて揃っている.
Pete Frame's Complete Rock Family Trees
https://gyazo.com/9f076e3f7a7ccab8298b5efbe8cad73e
https://gyazo.com/1e6a5704433b94bfb7495404a455dc0e
ピート・フレイム(Pete Frame)のロック・ファミリー・ツリー本4冊を引っ張り出して見ていたら、飽きることがありません。
イギリスやアメリカのロックに関心がない人には、膨大な徒労にしか見えない系図の束なのでしょうが、10代半ばにその音楽を浴びてしまったものには、ご褒美のような本です。
複雑に入り組んだ人間関係が整理されて、こんなつながりもあったのかという「発見」が楽しいのはもちろんですが、このシリーズを魅力あるものにしているのはピート・フレイムの手書き文字の力です。これが活字で組まれた図表だと、情報であることが勝ちすぎて魅力が薄れると思います。
すべてを細かく書き込むピート・フレイムの手書きの文字だからこそ成り立っています。
きちんとした取材で、歴史と現況を俯瞰できるようにしている一方、 ロットリングの製図ペンで、書籍の見開き・綴じ込みに合うように描き込まれたツリーは、度を超した集中力で1枚1枚書き込まれています。
ラジオDJのジョン・ピール(John Peel、1939~2004)が「...almost lunatic scholarship(ほとんど狂気を帯びた学者気質)」と評したこともうなずけます。
真似のできない手書きゆえに、他者(編集者)が手を入れることができず、ピート・フレイムの意思を一字一句すみずみまで押し通すことができた、というメリットもあったようです。
https://gyazo.com/ee7dd1ca3b6ab9ed35416dd2fc53df12
その「カンタンベリー・ツリー」という呼び方は、イギリスの音楽誌『zigzag』の編集長ピート・フレイム(Pete Frame、1942~ )がロットリングの製図ペンで描いていたファミリー・ツリーがもとになったのだと思います。
ピート・フレイムは、ソフト・マシーンを中心とするカンタベリー系のミュージシャンのファミリー・ツリーを、少なくとも3つ描いています。
上の写真は、 1973年2月の『zigzag』28号に掲載された、カンタベリーの重要ミュージシャン、ケヴィン・エアーズ(Kevin Ayers、1944~2013)へのインタビュー記事に添えられた、見開きの「カンタベリーの頭たちの近親相姦的物語(THE INCESTUOUS TALES OF CANTERBURY HEADS and sundry country cousins, urban ‘erberts, and Australian nomads)」と題されたファミリー・ツリー。
これがたぶん、最初に描かれた「カンタベリー・ファミリー・ツリー」だと思います。