ロックスターの高齢化
ロックスターの高齢化
スポーツ、政治、科学、エンターテインメントなどあらゆる分野で「主役」が高齢化している
全てが高齢化する
先日テレビ観戦していた全仏オープンの決勝は、ジョコビッチ(35歳)とラファエル・ナダル(36歳)の対戦だった。もう何度目の対戦なのだろうか、と思いながら観ていたが、この『The Atlantic』の記事によると、この2人は過去17回のグランドスラムで15回優勝しているようだ。
この記事は、スポーツ、政治、科学、エンターテインメントなどあらゆる分野で「主役」が高齢化していることを紹介している。
フォーチュン500およびS&P500企業の新任CEOの平均年齢は、2005年の46歳から9歳も上昇し55歳になった。こうした高齢化は科学の世界でも顕著だ。物理学と化学の分野を中心に、ノーベル賞受賞者はほとんどすべての分野で高齢化している。アメリカ国立衛生研究所の主要な助成金を初めて受け取った研究責任者の平均年齢は1990年から2016年の間に、約36歳から約45歳に上がったという。この記事を読みながら少し暗い気持ちになってしまったのは、こうした高齢化がポップカルチャーやエンターテインメントの分野でも起きていることだ。作家のテッド・ジョイアは、アメリカ人が聴く音楽は、ここ数年で古い曲にシフトしている、と指摘しているという。映画界に目を向ければ、男性の主演俳優の平均年齢は、2001年の38歳から約12歳上昇し約50歳になった。
この記事のライターのデレク・トンプソンはこのことをかつて「Shazam効果」(Shazamとは周囲で流れている音楽の曲名を教えてくれるアプリ)と呼んでいた。音楽業界は、視聴者の好みを予測する能力を高めた結果、多くの人が同じものを何度も繰り返し聞きたがることに気づいた。そうした音楽を多く流すことで、より多くの人々の耳に入るようになり、それを多くの人が気に入るようになるということがループしているのだ。アルゴリズムによる知性の向上が、オリジナリティへの投資を台無しにしている。文化的な領域がより統計的に洗練されると、実績ある古いコンテンツがより注目や資金を集めてしまうことになってしまうのだ。
この記事を読んで、最先端のアルゴリズムを走らせた結果、人々が古いコンテンツを見たり聴いたりし続けることになる、とは何たる皮肉か、と思わされた。また、これまで政治や経済の分野でシニアが居座り続けることが指摘されていたが、ポップカルチャーの分野でも高齢化が起きていることは単純にショックでもある。自分も、歳を重ねるごとにまだまだ自分はやれるぞとも感じたいが、同時に、若い人に席を譲ることこそ年長者の責務なのかもしれない。
Why the Old Elite Spend So Much Time at Work The Atlantic
この文章は、いろいろな文脈の話が混ざっている
例えば、スポーツにおけるトッププレーヤーの高齢化では、
スポーツ生理学といった科学の話
競技年齢が上がるということは、勝利における経験などの要素の割合が増えるということ
それは「洗練」と呼ばれる
スポンサーといった経済の話
より有名な選手がよりたくさんのスポンサーを得る
アテンション・エコノミー
例えば、音楽においては、
サブスクリプションの時代
過去と現在がフラットに置かれる世界
でも、音楽においては、アルゴリズムの弊害、とかいうけど、そんな弊害より得るものの方が大きくて
かつての、お金がある人だけの趣味、みたいな世界より、いまの方が断然イイ
昔のほうがよかった的なノスタルジーなんてクソ喰らえだわ
ユースカルチャーが視界から消えるのはオッサンの宿命で、ユースなヤツラからはもっと違う世界が見えていることを忘れちゃいけない