スティーブ・ライヒ・インタビュー
スティーブ・ライヒ・インタビュー
1974年、ライヒは彼自身の哲学、美学、1963年から1974年の間に作曲した作品についてのエッセイが収録された本"Writings About Music"を出版した
2002年には"Writings On Music (1965-2000)"として、新しいエッセイが収録された本も出版されている
Writings About Music
1974年
Writings On Music (1965-2000)
2002年
ティーヴ・ライヒの自身の言葉を綴った3冊目の本が出版された。一冊目は「Writing About Music」(1974)、2冊目は「Writings On Music 1965 - 2000」(2002)。後者は前者に74年~2000年までにライヒが音楽について書いたもの、インタヴューや対談などが追加収録されている。この「Conversarions」は、ライヒがコロナ禍期間中、主にZoomで行った作曲家、音楽家、彫刻家、振付師、ビデオ作家やノンサッチ・レコード社長との会話を収めたもの。会話を介してライヒは自身の作品への彼らの関心や彼らに与えた影響を、彼らの作品の解釈、印象や体験そのものを通じ掘り下げると同時に自身の考えを明らかにしていく。まもなく日本で展覧会が予定されているブライアン・イーノ、レディオヘッドのジョニー・グリーンウッド、ローザスのアンヌ・テレサ・ドゥ・ケースマイケルといったアーティストが相手を務める。なぜ対話形式にしたのか。そもそも本を構想するときにはライヒは彼の愛読書である「Stravinsky In Conversation With Robert Craft」のことを参考にしてきたからだという。
Conversarions
2022年
第4回 スティーヴ・ライヒ part 1(Steve Reich, 1936 - )
「わたしがやってきことは、おそらく、自分の前の世代から離れることだったんだ。
<1985年10月、シカゴにて>
初めてスティーヴ・ライヒに会ったのは、1985年10月のことでした。わたしたちの会話は、彼の具体的な作品について、さらには歴史的な観点も含めた一般的な思想へと進みました。ここで話されたことは(ライヒのエージェントもインタビューのあとでコメントしていますが)、彼が通常ジャーナリストたちともっている会話とは明らかに違うようです。いずれにしても、彼とのおしゃべりは気持ちのいい、ユーモアにあふれたものでした。また同時に、彼が自分の作品に対して、自分の置かれている状況に対して、確固たる認識をもっていることがわかりました。
第11回 スティーブ・ライヒ part 2(Steve Reich, 1936 - )
「もしわたしが作曲家でなかったら、何をしていいいかわからないよ。
<1995年11月9日、シカゴにて>
1985年のインタビューのちょうど10年後の1995年、ブルースはシカゴを訪問したライヒに再度インタビューを試みています。当時49歳だったライヒは、今回のインタビューでは1年後に60歳を迎えるというタイミングでした。60歳になることを喜んでいるかと聞かれ、「ここまでの道のりの運の良さを神に感謝しなくちゃと思う」と答えています。インタビューでは、新しい作品『The Cave』を中心に、ビデオ・アーティストのベリル・コロットとの共同作業について、熱を込めて語っています。