スケープゴート
スケープゴート
scape + goat
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The Scapegoat, by William Holman Hunt, 1854
In the Bible, a scapegoat is one of two kid goats. As a pair, one goat was sacrificed (not a scapegoat) and the living "scapegoat" was released into the wilderness, taking with it all sins and impurities. The concept first appears in the Book of Leviticus, in which a goat is designated to be cast into the desert to carry away the sins of the community.
聖書では、スケープゴートは2頭の子ヤギのうちの1頭です。 ペアとして、1頭のヤギ(スケープゴートではない)が犠牲にされ、生きている「スケープゴート」がすべての罪と不純物を持って荒野に放たれました。 この概念は、コミュニティの罪を取り除くために山羊が砂漠に投げ込まれるように指定されているレビ記に最初に登場します。
Then Aaron shall lay both his hands on the head of the live goat, and confess over it all the iniquities of the people of Israel, and all their transgressions, all their sins, putting them on the head of the goat, and sending it away into the wilderness by means of someone designated for the task. The goat shall bear on itself all their iniquities to a barren region; and the goat shall be set free in the wilderness.
それからアロンは生きている山羊の頭に両手を置き、イスラエルの人々のすべての不義と彼らのすべての罪とすべての罪を告白し、彼らを山羊の頭に置き、それを送り出す。 タスクに指定された誰かによって荒野に。 ヤギは不毛の地域へのすべての不義を自分自身で負わなければなりません。 山羊は荒野で解放されなければならない。
— Leviticus 16:21–22, New Revised Standard Version
—レビ記16:21–22、新改訂標準訳
人々にとってスケープゴートがなぜ必要なのか
敵、悪者
敵の存在は、広範囲にわたる予見できないリスクに満ちた環境をより、コントロール可能なものとして知覚させるのに都合が良い
人々にとって諸悪の根源である悪者の存在は必要不可欠であり、もし悪者が消えた場合、次の新たな悪者を見出さなければコントロール感が失われてしまう可能性がある。
擬人化(人為化)
コントロール感を高めるもうひとつの有力な方法は擬人化(人為化)である。
人為化は不明瞭な世界を理解するのに都合が良いのである。人知が及ばない世界を人知が及ぶ世界に転換するには人為化することが手っ取り早い。
大災害が起きるとマスメディアは「これは災害ではなく人災だ」と報道することが多い。どのような自然災害もそれに関わる人や部署はあるので、スケープゴートを見出すことは容易である
第1の理由は人が様々な煩悩をかかえていることである
精神分析理論によれば、スケープゴーティングは自分の中にあるこのような邪悪な思考や感情(不安、罪悪感、性的欲望、低能力、劣等感)を抑圧して意識外に追いやり、さらに、それを他者に投影することによって、解消しようとする無意識の試みであると説明される。
第2の理由は人生(他者、仕事などを含む)がままならないことからくる欲求不満である
人は人生を思い通りにコントロールしたいという基本的欲求を持っていると考えられる。しかし人生は多くの災難や不幸に見舞われ、予見不可能である。この脅威を小さくし、コントロール感を維持するために、人は不幸の様々な原因を少数に絞ったり、真の原因とは別の対象を見出すことが考えられる。その対象となるのが特定の個人であり集団である。
スケープゴートのターゲット
スケープゴートの対象となりやすいのは先述した道徳観やコントロール感の回復に役立つ人や集団であることが考えられる。投影が容易で、不安や自尊心を回復しやすい対象が選ばれるであろう。
第1に多数者から嫌悪感を持たれている異質者・異端者
これは歴史的・精神的・身体的特徴による
キリストを殺したとされるユダヤ人が差別の対象となった
中世ヨーロッパでは幻覚・妄想など重い精神症状を持つ人が魔女裁判にかけられた事例が少なくなかった
第2は攻撃しても安全な対象
マイノリティーや弱者(例えば、不況時のドイツのユダヤ人、9.11同時多発テロ発生時のアメリカのアラブ人、学級の中のイジメられっ子)は多数者の恰好のターゲットとなる
ただし、完全な弱者はコントロール感の回復にはあまり役立たない。コントロール感の回復には相手が強い方が効果的である。ただし、強い報復があれば困るので、報復を回避しながらスケープゴーティングを行う必要がある。その意味では、もっとも良いターゲットは、過去において強者であった者や反撃が封じられている強者である
スケープゴートをする側の性格
アドルノらは次のような権威主義的性格の人が差別的言動を行う傾向があると指摘している。
厳格で頑固な信念を持っている
価値体系がありふれた紋切り型である
自身を「弱い」と見なされることに耐えられない
伝統的な社会的慣例の違反は許せないと思っていて、違反者を理解しようとはしない
特に未知なことに対して疑いを持つ
権威には大きな敬意を払い、秩序に対してよく服従する