ジョン・ケージ・インタビュー
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1990年代に2回にわたって、ケージの『4分33秒*』を放送中に生演奏しました。このことを誰かに言うと、聞いた人はみんな、わたしが決められた時間、音声を中断しただけだろうと思いました。この受けとめ方は、完璧にこの楽曲の要点を見失っています。ケージが注意を促したのはホールの中の環境音でした。ですからわたしの演奏は、ラジオの聴衆にWNIBのコントロールルームで何が起きているかを聞かせることでした
わたしは前置きとして、この作品についてその背景を取り混ぜて説明しました。そしてマイクをオンにしたままで、音楽をかけているときいつもしている仕事をしました。映像はないので、代わりにタイマーを一つここに加えました。家のキッチンにあった、小さなねじまき式の1時間タイマーを持ってきていました。前置きを言い終えると、ぜんまいを巻き上げて、マイクの隣りに置きました。リスナーはぜんまいを巻くジリジリジリ、、、を聞き、チッチッチッ、、、という時を刻む音を聞いたはずです。そしてわたしは、曲をかけている間にいつもするように通信社からのニュースを集め、部屋の中を歩きまわり、電話をかけてきた人とおしゃべりをし、椅子の背もたれに寄りかかり(ギィーッといい具合に軋む音がします)、スタジオに住んでいる猫や犬に話しかけ、といった風でした。所定の時間が過ぎたところで、タイマーがピッと鳴り、わたしは放送の態勢に戻り、咳払いをし、終わりの言葉を告げました。この演奏はとても喜ばれ、リスナーは新奇な作品を楽しんだようでした。
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