ショック・ドクトリン:惨事便乗型資本主義の正体を暴く
https://gyazo.com/fcc064fce35bf0fda06ab89d9720a6e9
ただ、この本のタイトルは「ショック・ドクトリン」であり、そこに込められているのは上記のことがら(つまり資本主義と言われる経済社会体制)に尽きるものではない。著者はこのきわめて印象的な表現の由来を明るみに出している。それは二十世紀の一時期、ある偏った精神医学で開発された「ショック療法」である。これはある種の「精神病」を治療し、患者を「苦しみから解放する」ために、病んだ人格を一度無力化・空白化し、そこに新しい人格を植え付ける(刷り込む)というものだった。そのとき、もっとも効果的なのは、患者を孤立させ、さまざまな方法で心理的に追い込むだけでなく、電気ショックを与えるなどして人格意識を破壊することだった。そのためこの治療は「ショック療法」と呼ばれた。