システマティックレビューとメタアナリシス
LancetのChu DK et al. "Physical distancing, face masks, and eye protection to prevent person-to-person transmission of SARS-CoV-2 and COVID-19: a systematic review and meta-analysis"(2020年6月1日)は,伝播を防ぐための個人防護としての物理的距離確保,マスク,目の防護についてのシステマティックレビューとメタアナリシスというタイトル。交絡の影響を調整したオッズ比が,1メートル以内の距離に比べ1メートル以上の距離だと0.18(Cochranの方法とGRADEアプローチによるcertaintyは中程度),マスクを使うと0.15(centaintyは低い),目の防護は0.22(certaintyは低い)という結果。目新しくはないが,メタアナリシスでもこれらは有効なことが確認された。
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システマティック・レビュー(英語: systematic review)とは、文献をくまなく調査し、ランダム化比較試験(RCT)のような質の高い研究のデータを、出版バイアスのようなデータの偏りを限りなく除き、分析を行うことである。根拠に基づく医療(EBM)で用いるための情報の収集と、吟味の部分を担う調査である。コクラン共同計画におけるシステマティック・レビューは、主題ごとに定期的に手入れされ、情報にアクセスできることも意図されている
メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことである。メタ分析、メタ解析とも言う。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM) において、最も質の高い根拠とされる
メタアナリシスという言葉は、情報の収集から吟味解析までのシステマティック・レビューと同様に用いられることがある。厳密に区別する場合、メタアナリシスはデータ解析の部分を指す
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証拠(科学的根拠またはエビデンス)の強さは、上に行くほど強くなる。上に向けて蓄積されていくので二次研究が一次研究を拾いきれないラグも起こりうる。