ザトウクジラのコール音
ザトウクジラのコール音
ザトウクジラのコール音の多くは何十年も変わらない言葉遣い
「selfie」(自撮り)や「hangry」(hungry+angry,空腹でイライラしている状態)といった最近の造語は,人間の言語の進化を反映している。クジラなどヒト以外の社会的動物のコミュニケーションパターンも,時とともに変わっている。例えばオスのザトウクジラが繁殖期に歌う「歌」は常に変化している。
ところが,歌とは別にクジラが発する「コール」という発声を調べた最近の研究から,コール音の大半は何十年も変化していないことがわかった。この驚くべき結果は,コールは食物探しや社会行動,クジラどうしの個体識別に関する情報を伝える重要な手段となっている可能性をうかがわせる。
35年にわたる録音を比較解析
フルネらは1976年から2012年の間にアラスカ南東沿岸で採録された115時間近い記録音声を収集した。古い録音については「もう何年も聞いた人はいなかった」という。それらは現在生きている若いクジラの曽祖母や曽祖父の声だといえるだろう。
フルネらはこれらのコールの持続時間と周波数を解析し,16のタイプに分類した。うち12タイプは最も古い録音と最新の録音の両方に含まれていた。また,16タイプすべてが少なくとも30年にわたって繰り返し発声されていた。
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