コンビナートをもってこいよ
コンビナートをもってこいよ
「君の言ってることは正しいよ。成功するだろう。だけどそれってアルバイトじゃんか。コンビナートをもってこいよ」
何を言ってるんだこの人は、とこのときは思ったのだが、あとで考え直してみると、このときの企画は「開発費1000万円で、売上2000万円目標」みたいなものだった。これは蓋然性の高い企画だと思って持ち込んだのだ。この頃は会社が小さくお金がまったくなかった。儲かるんだからいいじゃないか、くらいしか思っていなかったのだ。 しかしその社長が言ったことは、正しかった。1000万出して2000万稼ぐ、それはほとんど確実にできたとしても、利益は2000万円で終わりだ。1000万円を2000万円にできるなら、1億を2億にできるのか、といえば、そんなことはなかった。だとすれば、その企画は実行して最大限うまくいっても予定通りの売上が立つだけの、アルバイトと同じだということだった。
コンビナートというのは、材料を入れると価値のある商品がポンッと出てくる仕組みである。ボーキサイトから、より高価値なアルミニウムを取り出す。原材料をたくさんいれればいれるほど利益も上がっていく。ビジネスを考えるならばそういうスケーラビリティを意識せよ、という話だった。>
このコンビナートの話は僕の人生を変えるくらいの衝撃で、それまでサラリーマンとしてリクープラインベースの提案しかしてこなかった自分を恥じた。それはサラリーマンなら許されても経営者としては許されない仕事のやり方なのだ。
リクープライン