クワイエットストーム
レイドバック風味なじぶん好みのアイソレーションがかかった(ここがラジオとはちがう)なんとなく雰囲気のあるものがさらりと流れるこのプラットフォーム
時代的にはMTV真っ只中であったはずなのに「キャッチー」よりも「耳ざわり」の方向へ振れたこのフォーマットに姿を重ねずにいられようか ああこれはクワイエット・ストームだったんだな どうしても聞きたい曲は検索して聞くよりも 流れてくるのをドキドキして待つか おもたい腰をあげて検索し リクエストのハガキ投稿よろしくの「これを聞いたひとはこれも聞きます」的な渦に呑みこまれるしかないんだな そんなふうに考えるようになった
レコード棚から聞きたい曲を探すという楽しみのほかに「聞きたい曲を探さない むしろ聞きたい曲 おまえが来い」 そんな体験を知った2016年だった
クワイエット・ストーム(英語:Quiet Storm)は、ソウルフルなスロージャムを中心に選曲され、都会の雰囲気に合ったラジオ番組フォーマット。アメリカ・ワシントンD.C.のFM局WHUR-FMのDJ代役メルヴィン・リンゼイが1970年代中頃に始めたと言われている。クワイエット・ストームという名称は、当時よく使われたスモーキー・ロビンソンの1975年のヒット曲から番組名としてつけられ、 以後同様の番組フォーマットの代名詞となった。
ブラックミュージックのひとつに含まれ、厳密な表現をすると、メロウな音程・落ち着いたリズム・落ち着いたテンポの特徴を併せ持つ音楽ジャンルと言える。感覚的には、官能的・扇情的な雰囲気を含みつつも、かすかで思わしげな暗喩に抑制するような作風の曲と言うこともできる。ジャンル的には、ソフトロックやアダルト・コンテンポラリー・ミュージックに近いが、リズム・アンド・ブルースやジャズからの強い影響も加わっている。結局、都会的で、小粋な、シブく決めた音楽といったところになるだろう。クワイエット・ストームは1970年代中期から1990年代初頭のアメリカのベビーブーム世代に最も受けた。
誰かサンが教えてくれた「オーディナリー・ミュージック」っていうラジオの題名だったり、昨年末に誰かサンが教えてくれた「クワイエット・ストーム」という音楽の聴き方? だったり、外山滋比古サンの、作品は著者が作るんだけど、古典は読者が作り出すっていう話(まるでリブログの話みたいな)だったり、そんな風に(どんな風に?)、オーディナリーな、普通な、なんの変哲もない、ありきたりな、レイドバック風味な、好みのアイソレーションがかかった、なんとなく雰囲気があった、そんな何かがさらりと流れる、ちょっと違ったふうに見える、新しい切り口が見つかる、そんなやり方を見つけたい、発見したい、なんてことを考えていたり、いなかったり。