オーウェルの全体主義、ハクスリーの全体主義

Rod Dreher

The American Conservative

冷戦時代に形成された私の全体主義の定義は、狭すぎることが分かりました。

オーウェルは、ソビエトの現実に基づいて、一つの全体主義モデルを提示しました。

一方、オルダス・ハクスリーは、『すばらしい新世界』という小説の中で、それに匹敵するモデルを提示しています。ハクスリーの全体主義国家は、大衆を苦痛や恐怖によってではなく、快楽や快適さを操作することによって支配しました。

『すばらしい新世界』の人々は、国家がセックス、ドラッグ、娯楽を保証する代わりに、政治的自由を喜んで手放しました。この「ピンクの警察国家」は、アメリカに到来する全体主義の形態です。

「全体主義」は、ムッソリーニが作った造語で、国家が生活のあらゆる側面を支配する社会を指します。彼は「すべては国家のために、国家の外には何もない、国家に反するものは何もない」と定義しました。

権威主義の下では、一つの政党や指導者がすべての政治権力を独占しますが、それ以上のものはありません。

全体主義も政治権力を独占しますが、すべてを政治的と見なします。そして、オーウェルが書いたように、全体主義者はビッグ・ブラザーに従うだけでなく、国民に彼を愛することも望みます。

ハクスリーは、テクノロジーと奴隷制を愛するよう人々を信じ込ませることによって、完全にコントロールされた社会を提示しています。彼らは、ソーマという薬物で至福の時を過ごし、セックスや身体の快適さを求めます。

祖父のトマス・ヘンリー・ハクスリーはダーウィンの進化論を支持した有名な生物学者