そしていまが、第三次のブームなんです
そしていまが、第三次のブームなんです
50年代後半にパーセプトロンが提唱され、神経回路モデルの第一次ブームがあったのですが、60年代末にパーセプトロンに関して一種の理論的な限界を提示されたことがあって、ブームが去ってしまっていたのです。 そのあと第二次ブームが起きて、メーカーが「ニューロ」と名の付く電化製品を売り出した時代もありました。それもやがて下火になり……そしていまが、第三次のブームなんです。ディープラーニングで何でもできるということで、みんながわあっと飛びついてきたんですね(笑)
第1次ブーム
パーセプトロン
第2次ブーム
ニューロ
第3次ブーム
ディープラーニング
ただ、そうしたディープラーニングでも、いろいろ問題はあるわけですよね。例えば、とにかく多量のデータを学習させないと、なかなか人間並みの能力を出せない、といったことが挙げられます。人間だったら、もっと少ないデータで能力を発揮できるわけです。
やっぱりわたしは、脳のメカニズムを知りたい。脳の中でどんなことが行われているから、われわれはものを見て、認識することができるのだろう、と思うわけです。脳の中には神経細胞が10の10乗個以上あります。それがどうつながって、何をやっているから、われわれはものを見ることができるのか。そのメカニズムを実現するような神経回路のモデルがつくれないか、と思って続けているんですね。
また「冬の時代」を訪れさせないためにも、脳に学んでいかなければならないと思っています。とにかく、脳を制御している基本原理を見つけたい。過去にもパーセプトロンなどさまざまなモデルがあったように、それは決してひとつだけじゃない。まだ、いっぱいあるはずです。その基本原理を見つけ出し、いまのうちに準備をしておけば、「冬の時代」は訪れず、このブームがずっと続くことでしょう。
基本原理を見つけ出す