あらゆる人をつなげてしまうこと
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インターネットの問題点を「あらゆる人をつなげてしまうこと」とし、「世界には多様な文化があり、それぞれ異質なコミュニティであるにもかかわらず、プライバシーに関してはたった1つの価値観を提示しようとしている」と続けた伊藤所長に、レッシグ教授は「1つの価値観には同意はできないと思う。しかし、全体に善をもたらすためならよい、個人に害を及ぼす扱いは罰する、これについては合意するできるのではないか」と答えた。
日本では6月、大阪の交番の警官が刃物で襲われ、拳銃を強奪される事件があった。その後テレビは監視カメラの画像を繰り返し放送して事件を伝えた。結果として25時間後に犯人は逮捕されたが、「防犯カメラの画像の入手方法や公開手続きについては誰も問わなかった」と村井教授は指摘した。村井教授の学生からは、「こうしたことが重なると、監視に対してだんだん寛容になる」との懸念の声が挙がったという。
続けてレッシグ教授も、2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件のケースを紹介した。事件後、ソーシャルメディア上で犯人捜しが始まり、一時は真犯人とはまったくの別人が犯人とされてしまう事態となり、社会的に大きなダメージを受けた。レッシグ教授は、「このような破壊的な結果にならないよう、プロセス、データに対するアクセスを規制しなければならないが、そこがまだきちんとできているとはいえないと思う」と話した。
「それは技術的な問題でもあり、規制の問題でもある」と続けた伊藤所長は、データへのアクセス権限を適切にコントロールする必要性を説いた。