〈まじめな音楽〉と〈娯楽音楽〉
〈まじめな音楽〉と〈娯楽音楽〉
ドイツ語では、まじめな音楽(Ernste Musik, E-Musik)と娯楽音楽(Unterhaltungsmusik, U-Musik)という分類があり、このうちE-Musikがクラシック音楽および現代音楽を指す(他民族の音楽においても伝統にのっとった厳粛なものや宮廷音楽などの場合はE-Musikに相当すると考える)。現代においては、主に商業の流通に直接のっとった音楽商業音楽をU-Musikと呼び習わしている。他の国での考え方もほぼこれと同類であると見てよい。日本語では大雑把にいってクラシック音楽が前者(E-Musik)、ポピュラー音楽が後者(U-Musik)に当たる。
芸術音楽 Ernste Musik
狭義には、古来の美的形成原理に基づいた美しく調和的とされる音楽、能動的な聴取態度を要求される音楽、さらには主に19世紀末の「芸術のための芸術」期に生産された音楽作品を指す場合が多い。しかしより一般的にはいわゆるクラシック音楽のことで、作家の署名性や作曲の際に伝統的かつ厳密な形式、楽譜に基づいている点で、ジャズやサロン音楽、ポップなどとは一線を画す。一方、ドイツでは19世紀末から発生した娯楽音楽〈U-MUSIK〉と対比して〈E-MUSIK〉と呼ばれることもある。前者が、現代の大衆社会が生み出した「商品」としての軽音楽の生産と不可分の関係をもって生まれたのに対し、それと区別されるべく「芸術音楽」という言葉は〈E-MUSIK〉として新たな意味を与えられた。この区分けはすでに市民権を獲得してはいるが、現代における異なった芸術形態間のクロスオーヴァーな事情を考慮に入れていない表現とも指摘できる。
Bei der Aufteilung von Musik in E- und U-Musik – ernste Musik und Unterhaltungsmusik – handelt es sich um ein Klassifikationsschema zur Bewertung von musikalischen Phänomenen. Ausgehend von der Verteilungspraxis der Verwertungsgesellschaften kommt ihm seit Beginn des 20. Jahrhunderts eine wichtige Rolle zu: Dort ist die Vergütungshöhe teilweise davon abhängig, ob der betreffende Titel der E- oder der U-Musik zuzuordnen ist. Die Unterscheidung ist ebenso umstritten wie die uneinheitliche Vergütung.
音楽を本格的な音楽と軽やかな音楽に分ける ( E- und U-Musik 本格的な音楽と軽音楽) は、音楽現象を評価するための分類スキームです。 収集協会の流通慣行に基づいて、これは 20 世紀初頭以来重要な役割を果たしてきました。そこでは、報酬のレベルは、問題のタイトルが深刻な音楽として分類されるか、軽い音楽として分類されるかによって部分的に決まります。 この違いは、報酬の一貫性のなさと同じくらい物議を醸している。
〈まじめな音楽〉はクラシカル・ミュージックと現代音楽に分かれる
という区分を使いつつ、アーノンクール自身は〈まじめな音楽〉〈娯楽音楽〉という分類に意味はないと言っている