GPSを用いた7人制ラグビーのタックルにおける選手間距離の定量化の試み
GPSを用いた7人制ラグビーのタックルにおける選手間距離の定量化の試み
GPS を用いたラグビーのゲーム分析は,試合中の移動距離や走スピード,スプリント回数といった試合中のパフォーマンスの定量化を行った研究(古川, 2013)が行われている.サッカーにおいては,選手の動的な位置データを用いて,移動パターンおよび選手間の位置関係を測定することによって戦術的行動を評価する研究(Memmert et al., 2017)が行われている.しかし,GPS を活用したラグビーの研究は個人の移動様相を分析したものが多く,選手相互の位置関係を定量化した研究は行われていない.そこで,本研究の目的は,GPS から取得した位置データを用いて,7 人制ラグビーのタックルにおける選手間距離を定量化することとした.その結果,ディフェンスラインの中にいる選手がタックラーである場合は,防御の成否に関わらずタックルにおける選手間距離を一定に保ちながら防御を行っており,ディフェンスラインの端にいる選手がタックラーである場合は,防御成功時にタックルにおける選手間距離が有意に短いことが明らかとなった.このことから,状況に応じてタックルにおける選手間距離を適切に保つことが防御において重要であると考えられる.今後は,攻撃状況や,防御状況等をより詳細に分類し分析を行うことで,現場で活用できる適切な選手間距離を定量できると考えられる.
ラグビーのユニフォーム、後ろ、肩甲骨の間のでっぱりには GPS 端末が入っているそうだ