AIは新しい芸術を「創造」できるか
AIは新しい芸術を「創造」できるか
ルキダスは、AI が人間の創造性を模倣する例にはあまり興味がないと書く。もう既に人工知能はキーツみたいな詩、ベートーベンみたいなピアノソナタの新作を生み出せる。が、キーツの詩にしろベートーベンのピアノソナタは今あるもので十分なわけで、それは重要ではない。
本当に重要なのは、過去の芸術家風の新作ではなく、質的に新しいものを生み出せるか? ということだ。この文章の副題にあるように「創造性とは、既にあるものの模倣ではなく、何か新しいものを作ること」であり、さらに言うと、人間の芸術家は過去の作品から「盗み」、新しいものを作り出す。こういう「再解釈」は AI には可能だろうか。
こないだの AI とのペアプログラミングの話ではないが、ルキダスはここでも人間と AI の共同作業の可能性を考えているようだ。
さて、偶然にもこのテーマを考える上で参考になる本の邦訳が来月出る。邦訳の刊行が期待される洋書を紹介しまくることにする(2020年版)でも取り上げたマーカス・デュ・ソートイの『The Creativity Code』の邦訳『レンブラントの身震い』である。 Creativity means making something new, not copying what exists already.
創造性とは、既存のものをコピーするのではなく、何か新しいものを作ることを意味します。