20世紀を語る音楽
20世紀を語る音楽
原題: The rest is noise
原題の方がカッコイイ
ケージだかシェークスピアだかの引用がもとになっているらしい
The rest is noise
https://gyazo.com/59a01a9717a6b8f04df7230355769f52
本書が扱うのは20世紀クラシック音楽だが、その作曲家はじつに多彩だ——マーラー、シェーンベルク、ストラヴィンスキー、ドビュッシー、シベリウス、ショスタコーヴィチ、コープランド、ブリテン、リゲティ、ブーレーズ、ケージ、メシアン、シュトックハウゼン、グラス、ライヒ、アダムズ等々。彼らについては伝記では縦割り、専門書では横割り、演奏批評では折々に言及され、その多くは演奏会プログラムの主流にある。しかし、点在する断片としての彼らを結ぶ無数の伏線をたぐりよせ、ひとつの壮大な文化史が描けると考えた本は、本書の前にはなかった。魅力的な群像、目から鱗のエピソード、楽曲分析、文化批評を駆使して圧巻の音楽史を描いて見せる本書は、その試みに見事に成功している。欧米各国で絶賛。全米批評家協会賞ほか受賞の注目の音楽批評家による記念碑的デビュー作。全2巻。 1巻はリヒャルト・シュトラウスの《サロメ》オーストリア公演をめぐって劇的に幕を開け、本書の主題を提示。調性崩壊の始まりと初期の前衛、ヴァイマール期の「実用音楽」、スターリンによる音楽の政治化を経て、ニューディール期アメリカにおける「万人のための音楽」までを語る。
https://gyazo.com/56af2250159f86ee3bebfdec338cd185
2巻の記述はナチ・ドイツ時代の音楽から始まる——権力者としてのヒトラーの音楽への態度は、スターリンと奇妙な好対照をなしていた。冷戦は政治的に正しい音楽の勃興という影を落とし、前衛は作曲家にとってほとんど義務となったが、その背後には諜報機関の存在があった——。ジェンダーやセクシュアリティなど近年の音楽学の成果も導入し、記述は分野横断的になっていく。
「著者はポピュラーなジャンルにも精通しており、幅広いジャンルを軽々と渡り歩いて議論を進めていく。たとえばショスタコーヴィチの第五交響曲の緩徐楽章に出てくるメロディとミュージカル《ショウ・ボート》のコーラスに同じ音程関係が現れ、シベリウスの第五の冒頭とコルトレーンの《至上の愛》の音型が同じだと指摘する。こうした議論ができる人はこれまでいなかった」(訳者あとがきより)
現代音楽と聴衆の乖離は、寒々しい前衛が招来した必然だった。しかし本書は新たな好奇心に火をつけ、音楽の聴き方に、これまでにない地平を拓く。巻末に、著者による詳細な「音源・読書案内」を付す。
目次
20世紀を語る音楽 1
はしがき
第1部 1900‐1933年
1 黄金時代——シュトラウス、マーラー、そして世紀末
2 ファウスト博士——シェーンベルク、ドビュッシー、そして無調
3 大地の踊り——《祭典》、民衆、ル・ジャズ
4 見えない人間——アイヴズからエリントンまでのアメリカの作曲家たち
5 森から現れる霊——ジャン・シベリウスの孤独
6 網を張る町——20年代のベルリン
第2部 1933‐1945年
7 恐怖の芸術——スターリン時代のロシアの音楽
8 万人のための音楽——F・ルーズヴェルト時代のアメリカの音楽
原註
20世紀を語る音楽 2
第2部 1933‐1945年(承前)
9 死のフーガ——ヒトラー時代のドイツ音楽
第3部 1945‐2000年
10 零時——合衆国軍とドイツの音楽、1945‐1949年
11 すばらしい新世界——冷戦と50年代の前衛
12 「グライムズ! グライムズ!」——ベンジャミン・ブリテンの情熱
13 ザイオン公園——メシアン、リゲティ、60年代の前衛
14 ベートーヴェンは間違っていた——バップ、ロックそしてミニマリストたち
15 沈める寺——世紀の終わりの音楽
エピローグ
謝辞
原註
音源・読書案内
訳者あとがき
索引
下巻在庫なし、脱線、ノイズの話
https://gyazo.com/b4255a5c3f4ac12d666dc060e77bfb45
https://gyazo.com/c9372210c2c455886e3ffc7e260ee196
上巻、下巻
下巻、版元になくて、中古(Amazon マーケットプレイス)で購入
バリューブックス
ちょっと洒落てた