日本人の起源
日本人の起源
古墳時代は、西暦300年頃に始まっているが、この論文によるなら、西暦以降にアジア大陸から日本列島への大規模な移住があったことが示唆されている。これは朝鮮半島からの移住だっただろう。最初の農耕民である弥生人は、土着の縄文人と中国北東部からの個体群との強い類縁を持つ混血体であったと考えられる。
もし現在日本人のほとんどが、古墳時代にルーツを持つことが明らかになれば、我々の歴史認識は大きく見直されることになるだろう。日本は7世紀になって歴史に登場するが、非常に若い国家だったことになる。
https://gyazo.com/7d517b1c0f0206254c69de52638630cf
Abstract
Prehistoric Japan underwent rapid transformations in the past 3000 years, first from foraging to wet rice farming and then to state formation. A long-standing hypothesis posits that mainland Japanese populations derive dual ancestry from indigenous Jomon hunter-gatherer-fishers and succeeding Yayoi farmers. However, the genomic impact of agricultural migration and subsequent sociocultural changes remains unclear. We report 12 ancient Japanese genomes from pre- and postfarming periods. Our analysis finds that the Jomon maintained a small effective population size of ~1000 over several millennia, with a deep divergence from continental populations dated to 20,000 to 15,000 years ago, a period that saw the insularization of Japan through rising sea levels. Rice cultivation was introduced by people with Northeast Asian ancestry. Unexpectedly, we identify a later influx of East Asian ancestry during the imperial Kofun period. These three ancestral components continue to characterize present-day populations, supporting a tripartite model of Japanese genomic origins.
概要
先史時代の日本は、3000年かけて、狩猟採集から始まり、水田での稲作、そして国家の形成へと急速な変化を遂げた。列島の日本人個体群は、狩猟採集を行っていた縄文人と、農耕民の弥生人の二重の先祖を持つ、との仮説が長年受け入れられてきている。しかし、農耕民族の移動とそれに伴う、社会文化の変化がどのようにゲノム的影響を与えたのかは依然不明となっている。本研究は、農耕前と農耕後の12人の日本人をゲノム解析した報告である。我々の分析によると、縄文人は数千年にわたって約1000人の小さな有効個体群を維持していたが、海面上昇によって2万年~1万5千年前に日本は島国化し、大陸の個体群と深い途絶に至ったことが分かった。稲作は、北東アジアを祖先とする個体群の流入によって導入されている。意外なことに、古墳時代になってから東アジアにルーツを持つ祖先の流入を我々は明らかにした。ゲノム的な起源によると、日本人はこの3つのルーツを持つと裏付けることが可能であり、これは現代日本人の個体群の特徴付けに引き継がれている。
note
「アースダイバー」の話(もしくは、愛宕山、夢見山、大笠山の話)
「甲斐の歴史をよみ直す」の話(もしくは積石塚の話)
時間軸を遡る話(もしくは、ネットワークの話)
スケールを拡大する話(もしくは、交流とフローの話)