ロールズ哲学史講義
邦題が良くない
この本は「道徳哲学」に関する講義録
なぜならジョン・ロールズにはもう一冊、講義録があってそちらは「政治哲学」に関するもの
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目次
【上巻】
編者の緒言
序論 近代哲学——1600年から1800年まで
第1節 古典道徳哲学と近代道徳哲学
第2節 ギリシアの道徳哲学の主要問題
第3節 近代道徳哲学の背景
第4節 近代道徳哲学の諸問題
第5節 宗教と科学の関係
第6節 科学と宗教に関するカントの見解
第7節 歴史的文献の研究について
ヒューム I 心理学化された道徳性、ならびに情念
第1節 背景——懐疑論と自然信仰主義
第2節 情念の分類
第3節 第2巻第3部第3節の梗概
第4節 (道徳外的)熟慮についてのヒュームの説明——公式見解
ヒューム II 合理的熟慮と理性の役割
第1節 ヒュームの公式見解をめぐる三つの問い
第2節 三つのさらなる心理学的原理
第3節 諸情念の体系を変容させるものとしての熟慮
第4節 善への一般的欲求
第5節 善への一般的欲求——情念であるか原則であるか
ヒューム III 人為的徳としての正義
第1節 諸学の首都
第2節 ヒュームの問題の諸要素
第3節 正義と所有権の起源
第4節 正義の事情
第5節 コンヴェンションの観念
第6節 諸コンヴェンションの最善の機構としての正義
第7節 発展の二つの段階
ヒューム IV 理性主義的直観主義への批判
第1節 序論
第2節 クラークのおもな主張のいくつか
第3節 正と不正の内容
第4節 理性主義的直観主義の道徳心理学
第5節 ヒュームによる理性主義的直観主義批判
第6節 ヒュームの第二の議論——道徳性は論証可能ではない
ヒューム V 思慮ある観察者
第1節 序論
第2節 共感に関するヒュームの説明
第3節 第一の反論——思慮ある観察者という考え方
第4節 第二の反論——ぼろをまとった徳もなお徳である
第5節 道徳感情の認識論的役割
第6節 ヒュームには実践理性の概念があるか
第7節 『本性論』の最終節
付録 ヒュームによる『本性論』の否認
ライプニッツ I その形而上学的完全性主義
第1節 序論
第2節 ライプニッツの形而上学的完全性主義
第3節 完全性という概念
第4節 ライプニッツにおける真理の主語内述語説
第5節 ライプニッツの真理観にたいするコメント
ライプニッツ II 態動実体としての魂——その自由
第1節 完璧な個体概念は活動力を含む
第2節 個別的理性的個体としての魂
第3節 真の自由
第4節 理性、判断、意志
第5節 実践的観点についてのノート
カント I 『基礎づけ』——序文と第1章
第1節 導入のためのコメント
第2節 序文に関するいくつかの点——第11−13段落
第3節 純粋意志という理念
第4節 『基礎づけ』第1章のおもな議論
第5節 善意志の絶対的価値
第6節 理性の特別な目的
第7節 善意志の二つの役割
カント II 定言命法——第一の定式化
第1節 序論
第2節 理想的な道徳的行為者の特徴
第3節 CI手続き、四つのステップ
第4節 カントの第二の例——守るつもりのない約束
第5節 カントの第四の例——無関心という格率
第6節 与件への二つの約束
第7節 動機の構造
カント III 定言命法——第二の定式化
第1節 定式化相互の関係
第2節 第二の定式化の言明
第3節 正義という義務と徳という義務
第4節 人間性とは何か?
第5節 消極的解釈
第6節 積極的解釈
第7節 結論——『基礎づけ』第2章(46-47[427-429])への注解
カント IV 定言命法——第三の定式化
第1節 道徳法則へ足を踏み入れる
第2節 自立の定式化とその解釈
第3節 理性の至高性
第4節 目的の国
第5節 道徳法則を直観に近づける
第6節 アナロジーは何か?
【下巻】
カント V 正しさの優位性と道徳法則の対象
第1節 序論
第2節 善についての六つの理解(前半三種)
第3節 善についての六つの理解(後半三種)
第4節 自律と他律
第5節 正しさの優位
第6節 真の人間的欲求についての注
カント VI 道徳的構成主義
第1節 合理的直観主義——最後の一瞥
第2節 カントの道徳的構成主義
第3節 構成主義的手続き
第4節 考察と異論
第5節 客観性についての二つの理解
第6節 定言命法——どのようにして総合的かつア・プリオリなのか?
カント VII 理性の事実
第1節 序論
第2節 理性の事実についての最初のパッセージ
第3節 第二のパッセージ——〔『実践理性批判』〕分析論第1章第5〜8節
第4節 第三のパッセージ——〔『実践理性批判』〕分析論第1章への付論I、第8〜15段落
第5節 カントが道徳法則の演繹を断念しえた理由
第6節 道徳法則はどのような種類の認証をもちうるか?
第7節 理性の事実についての第五、六のパッセージ
第8節 結論
カント VIII 自由の法則としての道徳法則
第1節 構成主義と適正な反省とについての結論的考察
第2節 二つの観点
第3節 ライプニッツの自由論へのカントの反論
第4節 絶対的自発性
第5節 自由の法則としての道徳法則
第6節 自由についての諸見解
第7節 結論
カント IX 『宗教論』第一編の道徳的心理学
第1節 三つの素質
第2節 自由な選択意志
第3節 悪の起源の合理的な表象
第4節 マニ教的な道徳心理学
第5節 わたしたちの人格の内なる道徳的動機づけの複数の根
カント X 理性の統一性
第1節 実践的観点
第2節 道徳法則の対象としての諸目的の国
第3節 道徳法則の対象としての最高善
第4節 理性信仰の諸要請
第5節 理性的信仰の内実
第6節 理性の統一性
ヘーゲル I ヘーゲルの『法哲学綱要』
第1節 序論
第2節 和解としての哲学
第3節 自由な意志
第4節 私的所有
第5節 市民社会
ヘーゲル II 人倫とリベラリズム
第1節 人倫——義務の説明
第2節 人倫——国家
第3節 人倫——戦争と平和
第4節 第三の選択
第5節 リベラリズムの批判者としてのヘーゲルの遺産
付録 講義の概略——道徳哲学の諸問題
『ロールズ哲学史講義』を読むために——「訳者解説」に代えて
監訳者あとがき
索引