ロシアは太平洋を目指すか?
from 2022/04
ロシアは太平洋を目指すか?
ロシアがウクライナへ侵攻した
ブランコ・ミラノヴィッチ 「ロシア経済の展望」
ブランコ・ミラノヴィッチ「ロシア経済の展望:長期の問題」(2022年3月11日)
経済活動の重心を西から東に移す見通しについては,どうだろうか? 技術的にできるかどうかで言えば,ピョートル一世式の方針をとることも想像できる.ただし,門戸を開くのはヨーロッパにではなく(サンクトペテルブルクがその窓口になるはずだった),東アジアにだ.たとえば,資本をウラジオストクに移転し,人口もろとも,できるかぎり多くの経済活動と官僚制の機能を東に移すわけだ.法令で人やモノを移転させうるのであれば,そうした動きもまずまず理にかなっていると言っていいだろう.東アジアは世界でもっとも急速に成長している地域であり,今後もそれは変わりそうにない.いろんな点で衰えつつある大陸であるヨーロッパに背を向けるのは正しい動きと考えてもおかしくない.そうした急進的な動きをとれる国は,世界でも合衆国とロシアだけだ.他の国々は,みずからのおかれた地理がおおよそ運命のようなものだ.政治的にも,いまイギリス・フランス・ドイツから受けているような制裁や政治的圧力を中国・インド・ベトナム・インドネシアからロシアが受けることはありそうにない.最後に,太平洋側へと導かれるのは,150年前のアメリカが新たな開拓地を開いていった動きの再演とみることもできるだろう.また,気候変動も,ロシア北部の領土をいまより住みやすくすることにつながって,助けになるかもしれない.
では,どうなるだろう? 数年前,『大不平等』のロシア語版によせた序文で述べたように,ユーラシア大陸の未来は,その過去とだいたい同じに見える:つまり,大西洋・太平洋それぞれの沿岸地域はかなり豊かになり,その中間にある内陸の広大な地域との差はいっそう大きくなるだろう.すると,そんなに経済活動の分布が不均等にするのが,政治的にどう実行可能なのかという問いが出てくる:移住・移民や政治の再編がそうした非均衡を「解決」するだろうか?
ロシアは太平洋を目指すか?
ユーラシア大陸の未来
かつてロシアはヨーロッパに門戸を開こうとした(サンクトペテルブルク)
今度は東アジアに門戸を開こうとする(ウラジオストク)
資本をウラジオストクに移転し,人口もろとも,できるかぎり多くの経済活動と官僚制の機能を東に移す
ロシアは法令で人やモノを移転しうる国だ
東アジアは世界でもっとも急速に成長している地域
衰えつつある大陸であるヨーロッパに背を向ける
そうした急進的な動きをとれる国は,世界でも合衆国とロシアだけ
太平洋側へと導かれるのは,150年前のアメリカが新たな開拓地を開いていった動きの再演といえる
大西洋・太平洋それぞれの沿岸地域はかなり豊かになり、その中間にある内陸の広大な地域との差はいっそう大きくなる
太平洋の利権を奪い合う戦い
アメリカ、中国、ロシア
日本、韓国、北朝鮮、台湾はそれぞれが、東アジアの果てで、登場人物の一人