数学基礎メモ
レポートについて
課題:マイナス × マイナスがなぜプラスになるか説明せよ。
締め切りは6月末。
ネットにある「証明」はこの課題の解答にはならない。授業に則した内容にすること。
長さ・形式は自由。
提出方法はのちほど指示する。
数の発明
数が発明される前にはどうしていたか?
5くらいまでなら,数えなくても見たらわかる。
それ以上だと,なにかと1対1対応させる。
たとえば村人に石をひとつひとつ渡して,それを集めておく。
しかし,それでは不便なので,いつでも利用可能なものはないか? → 指!
指が10本なので,われわれは10進数を使っている。
指だとせいぜい2~30程度までしか対応的ないので,無尽蔵につかえる一対一対応の道具として,数を「発明」した。
数は発明されたのか,発見されたのかというのは議論のあるところだが,この授業では石ころよりも便利な道具として,発明されたと考えよう。
初頭的な「数える」という作業に必要な数の性質は
1 → 2 → 3 → 4 … というように順序が決まっている。
どんなに大きい(上の順序に右にある)数でも,その次の数が存在する。
これらの性質をもっていれば,現実の事象(たとえば村人)を 1 から順に対応させていくと,終わったところの数が全体の人数になる。
では,上の用途でつくった数というものは唯一の体系で,それをわれわれはいろいろな局面に応用しているのだろうか?
この授業では,先に述べたように数とは道具として発明されたもの,という立場なので,違う対象には微妙にちがう数を使っていると考えよう。
例:月,曜日,西暦,ビルの階,音階など
数というものは現実の状態を正確に把握する手段
現実の対象がいろいろあるので,適用する数も実はいろいろある。
自然数は基本,村人と石ころのように,一対一対応で量を把握する。
それに対して,実数はなにか単位になるもの(たとえば長さなら 1m)の何倍かで量を把握する。
したがって,実数は単位が変わると数も変わる。自然数はそういうことは基本的にない。
「基本的」と書いたのはたとえば1ダースなどを使うと数が変わるが,これは本質的ではない。
計算
数は現在の状態を把握するだけでも便利だが,計算をすることによって更に強力になる。
ふたつの村の人口の合計は,実際に住民を一箇所にあつめなくても,ひとつづつの村で住民を数えて,足し算すればいい。
人口の合計などは単純だが,たとえば人工衛星の軌道などは計算なしでは不可能。
しかし,現実にちゃんと対応する演算を選ぶは経験法則。
500ml と 300ml の水をあわせると,800mlになるが,50度と30度の湯をまぜても80度にはならない。
計算にはじつはいろいろある。
たとえば足し算でも2人と3人で5人になるという計算と2月の3ヶ月後は5月というのは意味が違う。人数の場合は同じ種類のものを足してそれと同じ種類の結果がでるが,月の場合は2月(ある時点をあらわす)と3ヶ月(時間の間隔をあらわあす)は別物。
足し算は多くの場合,同種のものを足して同種の結果が得られる。
実数と整数を足すことはありえない。
それに対して掛け算は別種のものをかけることが多い。
例外:面積
負の数
上の「500ml と 300ml」