死と生のてつがく①
「いっそ死んでしまったほうが、死は眠りに過ぎぬ。それだけのことでは無いか。」
シェイクスピアのハムレット、そこにこんな科白がある。
死は眠りに過ぎない。
なら、生はなんだろ。
「生とはなんなりや」 哲学の永年のテーマの一つだ。
死が眠りに過ぎないとすれば、
生もまた、夢に過ぎないのではないだろうか。
深い眠りの狭間で見る、夢のかけらの様な物なのではないだろうか。
きっと悪夢もあるだろう。死に際に「夢の様な人生だった」と、残す人も居る。
生が夢の様な物なら、なら俺は夢を見ていたい。
読み変えれば、夢を見るのを止めた者は、死んでいる様なもんじゃないか。
なら、命が潰えるまで、眠りが少しだけ深くなる時まで、俺は夢を見ていたい。