しょーますとごーおんっ!(仮)
思いつきの小説の書き出し
初めて演劇に魅せられたのはいつの事だろう。
「本ベル鳴ります、ブーーーーーーーーー。」
「客電消えます」
ただ初めて“演劇”を見た時の事は、上手く言葉にできない。
「どん帳開きます、一、二、三、四、五、六、七、八、九、十。」
ただ雷に撃たれたようで、私は無心になっていた。
「ふんふん、ふふふん、ふ〜〜ふふふふん。」
「劇場の空気というのは、こんな感じだったでしょうか、いや久しぶりすぎて忘れてしまったのかもしれない。良い音楽も響きそうです。」
始めてのその劇は小難しくて、内容はあまり入ってこなかったけど、
「熱狂、一瞬の沈黙。劇場というところは、不思議な空気で満ちている。島村先生はーーーーー」
熱狂、一瞬の沈黙。劇場というところは、不思議な空気で満ちている。その言葉が脳裏に焼き付いて仕方なかった。
「その頃の私は東京で音楽を勉強したいと田舎から出てきたばかり、当然お金もなく居候しながら学校に通っていた頃ー」
キャラクター事態は同じなのに、衣装が、声色が、歩くテンポが、歩幅が、息遣いが、テンションが。それらが全く違うキャラクターを生み出して、羽織っていたジャケットを脱いだだけで、キャラクターが一瞬にして若返った事に気付かされた。
「いや待てよ、窓に灯りが。あれは東、なればジュリエットは太陽じゃ!ああ登れ麗しい太陽よ!」
「ああ!」
「ものを言うた!今一度ものを言うてくだされ!」
舞台の上で舞台で、やや誇張された演技をしている。それだけでも可笑しいのにロミオが「〜じゃ!」「〜してくだされ!」なんて言っているのも可笑しくて可笑しくて。
「おお、ロミオ、ロミオ!ててごをも自身の名をも捨ててくだされ!すればわしゃあもう、カーピュレットではない」
プロット集という名のただの演劇部あるある集
時間にくっそルーズなやつ。
ガラァ。
「ん、ごめん。遅れた。」
中略
「時計読めなかった。」
「「時計読めなかった!?」」
中略
「9:30っていうのは気にしてんだけど、「9:00、うん大丈夫」「9:30、よし9:30になった、あれ?9:30に着いていなきゃダメじゃない?」ってなった。」
「ナンデ....。」