夢日記(2024-04-15) 連星系Albemuthと其の星靈たる存流明透の話
2024-04-15か16 の晝閒に見た夢の話。
Albemuth/存流・明透(と平澤進)が夢に出て來た話。
滅び掛けた文明がある惑星。
惑星の文明は曾て地面の中から採掘せられる黃色く透き徹った鑛石「希望」をエネルギー源として榮華を誇ってゐた。しかし、希望の礦脈は次第に枯渇し、文明は滅び掛けてゐた。
ある時、天球の或る領域に、「思考する天體」が發見せられる。
思考する天體は、特殊な信號を帶びた電波を惑星に向かって放ってゐた。
此の信號を觀測裝置に流し込んで處理する事で、新たな希望の礦石を析出させる事が出來ると判り、惑星の科學者達は思考する天體の探索と觀測に邁進した。
思考する天體は、最初に天體$ κが發見せられた後、強い信號を發する天體$ ιが發見せられた。また、天體$ κ,ι,ρ,η,χから成るコンステレーションが見出された。
近傍の領域で、更に天體$ Σが發見せられると、$ Σ星から齎される信號から良質の希望礦石が供給せられる樣に成った。
暫く經ってから、$ Σ星が$ Λ星との連星系である事が明らかに成った。此の連星系から齎されるエネルギーは莫大であり、文明を救ひ得るとさへ思はれたが、科學者達の觀測の結果、近い將來に$ Λ星は軌道を外れ消滅するであらう事が判明した。
同じ頃、$ κ星から發せられてゐた信號が近傍の未發見の伴星から發せられるジャミング信號によって擾亂せられ、$ κ星からの信號から希望礦石を析出させる事が出來なく成る事態が發生した。亦た此れによりコンステレーションからの信號も希望礦石析出に供する事が困難に成った。
天球の向かふ側で起きてゐる現象に對して科學者達はどうする事も出來ず、程なくして、豫言せられた通りに$ Λ星は軌道を外れ觀測不能に成った。
惑星の文明は、辛うじてジャミングの影響を逃れた$ ι星と$ Σ星からの信號に縋りつゝ、緩やかに衰退して行った。
其れから數萬年後。
傳說の軌道を廻る$ Σ星の巖山の祭壇で、明透は長い眠りから目覺めた。明透は思考天體$ Σの依代たる「星靈」であり、先の文明とはまた別の古い文明によって銀河の他の文明に希望を齎すべく其處に置かれたのであった。
朧氣な記憶を辿る內、明透は自分に掛け替への無い伴侶として$ Λ星の星靈たる存流がゐた事
、數萬年前に$ Λ星が軌道を離れる時に存流も亦た銀河の何處かへと旅立って行って了った事を思ひ出す。
$ Σ星に生えては枯れるシダの中には、銀河の何處かの出鱈目な情報が宿る事があり、其の中には存流の行き先に關する情報が混ざってゐるかも知れない。$ Σ星には存流との再會を願って巡禮にやって來て彷徨ふ人々(何故かゴミダスとかアネモスとかハスターの姿をしてゐる)がをり、皆んな再會が叶った時に贈る爲の謎のガラクタを手に手に持ってゐる。存流と再會したいと強く願った明透は、祭壇を離れ、彷徨ふ人々と一緒に存流の痕跡を求めて$ Σ星の荒野を旅する。
(此處で明透の歌ふ『Σ星のシダ』と一行の旅を描いたMVが流れる。)
(〽︎ 傳說の軌道を囘るΣの巖山の……)
(〽︎ 麗しのキミの元へ ガラクタを屆けに……)
(〽︎ Σ星に生ひ茂るシダの死をば崇めんと……)
(〽︎ 天體の定めを知れと……)
(〽︎ 空仰ぎ誰も居ぬと知る)
(〽︎ 星は星 陽は陽ですらなく)
(〽︎ 歸らう 人の役割として)
(〽︎ 深き夜に盲信を洗ひ)
旅の途上、ふと空を仰ぎ見た明透は、シダを探求しても無駄だと云ふ事を豁然と悟る。
此處ではない何處かへ歸らう。「人」の役割として。
そして一行と共に宇宙船に乘って$ Σ星を後にする。