無限小の結節点
個というものに関して、僕は無限小の結節点であるという立場をとる。
そしてその周りの事象は全てネットワーク的に表される。それは人脈であったり、知識・情報であったり、自分の所有している物であったり。あらゆるモノがそこに紐づけられている。これは攻殻機動隊の原作漫画及び押井版攻殻機動隊から得た着想であるけれど、養老孟司さんも同じようなことを言っていた。
この思想で物事を捉える前提として必要になってくるのは身体性だ。人間は意識を失ったとしてもなお、そこに身体は残り続ける。自分を包む全ての情報は身体性に紐づいており、身体性を中心として個は形作られている。そしてそれ故に、僕らは身体性及び結節点である自分の中に制約され続ける。
押井版攻殻機動隊はこのあたりがテーマとして出てくる。GHOST IN THE SHELLにおいては、記憶すらも電脳化された世界における主人公(草薙素子)の身体性に対する悩み、ラストシーンではそこからの解放が描かれ、イノセンスにおいてはメインとして登場こそしないものの、身体性から解放された後の草薙素子が描かれている。
漫画版攻殻機動隊(原作)においても勿論この辺は描かれており、今の文脈で言うならば1巻がGHOST IN THE SHELL、2巻がイノセンスにそれぞれ対応している。特に2巻においては同位体なる存在が登場し、これは落合陽一の言うところのデジタルヒューマン的なところと通じる。
身体性から逃れようとする行為は人間の超越(超人化)とも言えるが、それと同時に滅亡への道であるようにも思えてしまう。