働きアリの法則
働きアリの法則を知っているだろうか?
アリの群れを観察すると、常に全体の約2割はほとんど働かずに休んでいるという現象のことだ。さらに面白いのは、働かないアリを取り除いてしまうと、残されたアリの中から再び新たに2割が“怠け者”として現れるということ。このことから言えるのは、この法則は個体の性格や能力ではなくて、集団そのものが必然的に生み出す構造であるということ。
一見すると2割のニートアリはムダに思えてしまうけど、そのようにして集団として余白/余剰を維持し、不足の事態における生存確率をあげているということが推測できる。
僕は前からこの法則がけっこう好きなのだけど、さいきん保存食について考えるようになってこの法則に想いを馳せる機会が増えたように思う。おそらく自然界の中に存在する余白や余剰のような現象を、人類の社会システムに応用してみるような思考実験が好きなのだろう。
農耕定住社会になって以降、特に産業革命以降の人類は常に効率性を求めて文明を発達させてきた。その中で余白/余剰が排除されていく過程について書いたのが『メタファーとしての冷蔵庫』なのだけど、簡単にいうと