正しくは、想像するしかない。
https://gyazo.com/5a946f15e4f5233af0dac94289c42ffc
https://gyazo.com/3656f541384131065024c81728fc93e8
https://gyazo.com/2ad0d18b4cfb7935a36350aa1ead0019
https://gyazo.com/91e060bc18d293d5889c7923dbbfeaee
photo by Nacasa & Partners Inc.
code:credits
タイトル:第753回デザインギャラリー1953企画展「菅俊一展 正しくは、想像するしかない。」
会期:2019年3月20日(水)〜4月15日(月)最終日午後5時閉場・入場無料
会場:松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
主催:日本デザインコミッティー
企画・監修:菅俊一
担当:鈴木康広
◎本研究はJSPS科研費 JP18K00218の助成を受けたものです。
code:statement
私たちは普段目で見たものを手がかりとして、たとえば止まっている絵を見て動きや時間の経過を感じてしまうなど、頭の中で様々なイメージを作り出しています。今回のプロジェクトでは、この私たちの持つ素晴らしい能力の一端に触れるため、点や線で構成された最小限の手がかりだけで、「透明」「視線による空間把握」「切断による時間生成」という3つのイメージをみなさんの頭の中に作りだす試みを行います。ここに並んでいるのは手がかりだけです。正しいイメージを作りだすには、鑑賞しているみなさんの想像力を使うしかないのです。
1.透明の発生
https://gyazo.com/beef6838ec41d08e5a25275c11ee6616
photo by Nacasa & Partners Inc.
code:text
線の質感や表現のしかたを変えるだけで、透過している感覚を作り出す試み。
いずれもわずかな線の質感が違うだけだが、
心のうちに沸き起こる、透過している感覚は微妙に異なる。
https://gyazo.com/d9aacb6d17e4e25c20d3ac9058ad6634
2.乗り越える視線
https://gyazo.com/08254be4fb780b25aaaa0de5bfb0ec8f
photo by Nacasa & Partners Inc.
code:text
私たちは普段、人の目や描かれた顔の目が、どこを見ているか敏感に感じ取ることができる。
その時感じる線のような感覚を「視線」と呼ぶが、当然視線そのものには姿は存在しない。
しかし、私たちは確かに姿形の無い視線の存在を感じ、
黒目の位置だけで、その方向や先にある対象物の存在を感じることができる。
また、視線は形が無いからこそ、たとえば紙に描かれた顔が発する視線は、
その中に留まらず紙の外に影響を及ぼすことができる。
このような「視線」という存在が持っている性質を用いることで、
展示空間に見えない線を描くことを試みた。
https://gyazo.com/40232cf843bd4afb93bd51a72dcbcf4f
3.その後を、想像する
https://gyazo.com/4afbdb0f044ea98a54cc6afe3c17c573
https://gyazo.com/538d896e5ac69ff95770f03bb2528bedhttps://gyazo.com/3a1e906307212a4f0d11d202bb8c9f00
photo by Nacasa & Partners Inc.
code:text
開かれた板の左右に描かれた図版が、めくることで重ねられた後、
何が起こるのかを想像してみる。
たとえば「ページをめくって閉じる」という行為自体が、
「トングで掴んだ角砂糖をカップに入れる」という図版の解釈に作用することで、
図版自体は静止した情報でありながら、
頭の中では「その後、どうなったのか」が想像できてしまう。
一定の変化をし続ける映像を見る。
突然絵が消えた瞬間、その後どんな変化が起きたのかを想像してみる。
どちらも、その後何が起きるかは描かれていない。
これは、直前まで見てきたものを手がかりにして、
頭の中にその後の変化のイメージを作り出そうとする試みである。
https://gyazo.com/31f2d65210b0942a9dbc24798b9000ab